「もしも一生かけても使い切れないほどの大金が入ったら……」と、妄想することはないでしょうか。実際にはなかなかあり得ないことでも、使い道を考えるのは楽しいものです。   しかし、大金を手にした手段によっては、税金が発生することもあります。本記事では、大金を手にしたときの使い道のランキングを紹介するとともに、気になる税金についても解説します。

大金の使い道のランキングは?

株式会社ビズヒッツ(三重県鈴鹿市)が運営する「お金の使い方調査隊」は2023年4月に、10〜60代の男女500人を対象に「一生かけても使い切れないお金の使い道に関する意識調査」を実施しました。この調査によれば、使い道(複数回答可)の1位は「旅行や趣味に使う」で178人が回答しています。
 
2位は「マイホームを購入する」で134人、3位は「寄付・社会貢献する」で133人、4位は「贅沢して生活水準をあげる」で91人、5位は「家族ために使う」で89人です。以下、6位は「投資で増やす」で61人、7位は「起業する」と「ローン・借金を返済する」の2つの回答で29人、9位は「働かずに暮らすための資金」で26人、10位は「貯蓄」で24人と続きます。
 

使い切れない大金とは?

使い切れない大金といっても、どれくらいの金額を指すかは個人差があります。そこで、まず一生で必要な金額はいくらなのかで考えてみましょう。一般社団法人全国銀行協会では、人生に必要な資金を約2億円と公表しています。
 
これは、結婚して子どもを持ち、マイホームを購入して老後の資金までを想定した金額です。また、年金も加えた平均的な生涯年収については、2億5000万円ほどとみています。世帯人数や生活水準などにより異なりますが、2億5000万円を上回れば一般的に「使い切れない大金」と考えていいのではないでしょうか。
 

大金が入っても気になるのは税金

思わぬ大金が入るケースとして考えられるのは、まず宝くじの当選金です。宝くじの場合、当選金額に関係なく税金はかかりません。2億円を超える額に当選しても非課税です。当選金を全額使えますし、申告の手間もかかりません。ただし、定期預金の景品として付与された宝くじは、利子として源泉徴収をするが必要があります。
 
また、遺産相続によって思わぬ大金を手にすることもあります。相続した場合は、相続税の申告が必要になります。実際には、基礎控除として「3000万円+(600万円×法廷相続人数)」を差し引いた金額に課税されます。
 
例えば、3億円を1人しかいない法定相続人が相続した場合で考えてみましょう。基礎控除は「3000万円+(600万円×1人)」で3600万円ですから、課税対象となるのは2億6400万円です。
 
3億円以下の税率は45%、控除額は2700万円なので、手元には1億7200万円残ります。ただ、これだと一生に必要な金額には届きません。では、4億円を相続したと仮定します。この場合の課税対象は3億6400万円です。6億円以下の税率は50%、控除額は4200万円なので、税金を払っても2億2400万円残ります。
 

使い切れない大金は人それぞれで違う

大金といっても、実際には人それぞれにイメージする金額は違います。また、手にする年齢によっても、使い切れるかどうかは変わってくるでしょう。人生に必要な金額を2億円として考えた場合、それを超える額であれば労せずに暮らすことは可能です。
 
ただし、相続によって手にした場合は金額が大きいほど税率が上がります。遺産相続なら、金額が上がるほど手元に残る額が少なくなる点に注意しておく必要があります。
 

出典

株式会社ビズヒッツ お金の使い方調査隊 一生かけても使い切れないお金の使い道に関する意識調査
国税庁 定期預金の景品として交付する宝くじ
国税庁 相続税のあらまし
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー