終活に注目が集まるなかで、1人でもできる生前整理に興味をもっている人も多いのではないでしょうか。一般的に生前整理とは、生きている間に身の回りの物や財産を整理する行為を指します。   本記事では、最初に生前整理に関する調査結果の紹介後、生前整理のメリット、期間、相場について解説していきます。

生前整理に関するアンケート調査

終活に関する情報メディア「終活瓦版」を展開する株式会社林商会(滋賀県大津市)が、2021年12月に生前整理についてアンケート調査を行いました。それによると、40代以上の男女300名のうち、59%の人が「生前整理を行った経験がある」と回答しています。
 
生前整理で行ったことに関しては、「断捨離・物の整理」が52%、「デジタル遺品の整理」が16%、「エンディングノートの作成」が11.5%という結果です。
 
また、生前整理の進め方については、「自分だけで進めた」が85%、「家族・友人・知人などに手伝ってもらった」が11%、「専門家や業者に依頼した」が3%となっています。
 
以上により、40代以上の半数以上が生前整理を行った経験があり、断捨離・物の整理を自分だけで進めた人が多いことが分かります。
 

生前整理のメリット、期間、相場

生前整理の主なメリットには以下があります。
 

●相続トラブルを回避しやすい
●デジタル遺品(ID・パスワード)の整理ができる
●万一(事故や認知症)の事態に備えられる

 
生前整理によって物と財産を減らすことにより、遺族の負担を軽減できます。生前整理の一環として遺言書を作成しておけば、相続トラブルを回避しやすいでしょう。
 
ほかにも、遺族にとって対処が難しいデジタル遺品(ID・パスワード)を自分で整理できるというメリットがあります。また、生前整理をきっかけに不要なサブスクを解除したり、遺族が分かりやすいようにネット銀行やSNSなどのID・パスワードを紙に残したりといったことも可能です(紙に残す場合は保管方法に注意してください)。
 
エンディングノートを家族に残すことは、万が一の事態に備えやすいともいえるでしょう。
 
次に生前整理にかかる期間は、物や財産の量によって異なります。物や財産が少なければ1日で終わるかもしれませんし、多ければ数週間もしくは数ヶ月以上かかるかもしれません。本格的な断捨離を行うのか、もしくはデジタル遺品の整理にとどめるのかなどによっても異なるでしょう。
 
相場としては、一般的に自分1人で行う場合、それほど大きな費用はかかりません。ゴミを自分でゴミ処理場に持ち込めば、無料または少額の手数料で済みます。ただし処分を業者に依頼すれば数千円から数万円を見込む必要があります。
 
また、整理収納アドバイザーのような専門家と一緒に生前整理を進める場合は、日額1万円程度からが相場といわれています。
 

まとめ

本記事では、生前整理について解説しました。40代以上の半数以上が生前整理を経験しているというデータもありますし、生前整理を行うことで相続トラブルの回避などのメリットがありますので、前向きに取り組んでみてはどうでしょうか。
 

出典

株式会社林商会 生前整理についてのアンケート調査

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー