バスや電車などと同じように、移動手段としてのタクシーは身近な存在です。例えば、東京近郊や山梨県内を走る電車はJR東日本の運行範囲内なので、県が違っても料金設定は同じですが、タクシーは都道府県によって料金設定が違うことをご存じでしょうか?   本記事では、地域ごとのタクシーの料金設定について解説します。

タクシー料金は全国統一ではないの?

タクシーの料金は全国統一ではなく、地域やタクシー会社によって料金設定が違います。
 
タクシーを利用したときに請求される基本的な料金は「初乗り運賃」と、走行距離または時間ごとに上乗せされる「加算運賃」の合計金額です。初乗り運賃と加算運賃は地域ごとの上限額・下限額が国土交通省によって決められていて、それぞれのタクシー会社は上限額の範囲内で運賃を決めています。そのため、全国同じではないのです。
 

<普通車での初乗り料金上限額例>

・北海道の初乗り料金:1.28kmで670円(札幌市、江別市、石狩市、北広島市)
・東京都の初乗り料金:1.096kmで500円(特別区、武蔵野市および三鷹市)
・大阪府の初乗り料金:1.3kmで600円(大阪府内)
・福岡県の初乗り料金:1.6kmで750円(福岡市、春日市、筑紫野市など)

 

タクシー料金の追加料金には、どんな種類がある?

タクシーの料金には、主に以下のような追加料金設定もあり、初乗り料金などと合算されます。
 

・迎車料金
指定した場所にタクシーを呼んだときに追加される料金です。会社によって無料から数百円に設定されています。
 
・予約料金
「10時に来てください」など、時間を指定して呼んだときに追加される料金です。
 
・待機料金
例えばタクシーで移動中に病院やスーパーなどに立ち寄った場合、その場に待機してもらうことで追加される料金です。加算運賃のうち時間経過料金に含まれます。
 
・定額運賃
一定の区間内を走るときの料金を事前に定めているもので、羽田空港・成田空港と東京都内の一定区間での料金などがあります。
 
・車種指定料金
ワゴン車など大人数で利用できる車を指定したときに追加される料金です。
 
・深夜、早朝料金
夜22時から早朝5時までに利用した場合に追加される料金です。

 

タクシーの料金割引や独自サービスはあるの?

それぞれのタクシー会社によって、さまざまな割引制度や独自サービスがあります。主な割引は、「障害者割引(1割引程度)」や「遠距離割引(運賃メーター表示額が9000円など一定額を超えたときに割引)」などです。
 
独自サービスとしては、数万円前後で観光地を巡りながら1〜2時間程度案内するコースを設定している会社や、車椅子に乗ったまま利用できる介護タクシーを配置している会社もあり、通常のタクシー料金に合わせて500円程度の介助料・車椅子の貸し出し(有料)が請求されます。
 
外国人向けに同時通訳サービスを提供したり、チャイルドシートを搭載したタクシーを配置したりしているところもあります。
 

まとめ

タクシー料金は、国土交通省が地域ごとに初乗り運賃と加算運賃に上限・下限金額を設定し、タクシー会社は設定範囲内で料金を決めており、さまざまな追加料金を加えて乗客にタクシー料金として請求しています。
 
タクシー会社ごとに観光案内や介護送迎など独自サービスを行っているところもあるので、利用する前に料金プランやサービスを確認すると良いでしょう。
 

出典

一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会 地域別タクシー運賃表
国土交通省自動車交通局 タクシー事業者の様々な取り組み事例
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー