美容師になりたい学生にとって、専門学校への進学は夢をかなえるための第一歩です。しかし、なかには「入学金や学費の支払いが不安」という人もいるのではないでしょうか。進学時のお金の悩みを解決する手段の一つが「奨学金制度」です。   しかし、専門学校に進学する場合でも利用できるのでしょうか。そこで今回は、美容専門学校を目指している人に向けて、奨学金(貸与)の申請について解説します。

美容専門学校でも奨学金制度が利用できる!

国内の学生向け奨学金としては、日本学生支援機構(JASSO)の奨学金制度が代表的です。この奨学金は、美容専門学校に通う場合でも利用できます。
 
ただし、通いたい専門学校が対象となっていなければ利用できないため、事前に調べておくことが必要です。日本学生支援機構の奨学金(貸与)には、無利子の「第一種奨学金」と有利子の「第二種奨学金」があります。
 
第一種は無利子ですが学力基準があるため、第二種よりも取得条件が厳しいです。また、条件を満たせば第一種・第二種併用貸与の奨学金や、入学時特別増額貸与奨学金も利用できます。令和6年度に美容専門学校への入学を希望している人の奨学金の申込資格(入学前)は、以下のとおりです。
 
・第一種奨学金、第二種奨学金、第一種・第二種併用貸与の奨学金

第一種奨学金、第二種奨学金、第一種・第二種併用貸与の奨学金を利用するには、以下のいずれかに該当する必要があります。


「令和6年3月末に高等学校または専修学校(高等課程)を卒業する予定の人」
「高等学校または専修学校(高等課程)を卒業後2年以内の人」
「高等学校卒業程度認定試験に合格した人、科目合格者で機構の定める基準に該当する人、または出願者」

また、第一種では「申込時までの全履修科目の評定平均値が、5段階評価で3.5以上」または「高等学校卒業程度認定試験合格者」のどちらかを満たすことが必要です。入学時特別増額貸与奨学金は、日本政策金融公庫の「国の教育ローン」に申請して利用できなかった世帯の学生・生徒が対象となります。
 

専門学校を目指す場合の奨学金申請の流れ

まず、自分の目指す専門学校が奨学金の対象校となっているかについて確認しましょう。日本学生支援機構のホームページに「専修学校(専門課程)の貸与奨学金対象学科登録校」のページがあり、全国のエリアごとに登録校一覧がまとめられています。
 
進学前の奨学金申し込みを「予約採用」といい、在学中の高校から申し込みます。ただし、高等学校卒業程度認定試験合格者の場合は、日本学生支援機構への直接申し込みです。
 
高校から申込書類を受け取ったら、「スカラネット(奨学金申込専用ホームページ)」で必要事項を入力し、日本学生支援機構にマイナンバー提出書類を提出します。また、高校にも申込書類を提出することが必要です。
 
専門学校に入学したあと、「採用候補者決定通知」を学校に提出し、スカラネットで進学届を出せば奨学金を受け取るまでの手続きは完了です。奨学生として正式に採用されたことが通知され、奨学金の振り込みが始まります。
 

奨学金を利用して美容師の夢を実現しよう!

美容専門学校を目指す学生も、奨学金の対象校に進学するのであれば、問題なく奨学金制度を利用できます。申込期間は、高校3年の春と秋に設定されるため、忘れずに申請しましょう。
 
なお、日本学生支援機構の奨学金以外でも自治体や専門学校が独自で奨学金制度を用意しているケースもあります。情報を集めて早めに行動すれば、何らかの奨学金を取得できるはずです。奨学金を活用して、美容師になる夢の実現に向けて大きな一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
 

出典

日本学生支援機構「進学前(予約採用)の第一種奨学金の申込資格」
日本学生支援機構「進学前(予約採用)の第一種奨学金の学力基準」
日本学生支援機構「専修学校(専門課程)の貸与奨学金対象学科登録校」
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー