注文住宅の購入は、ローンでの購入が一般的ですが、収入に見合った金額のローンを組まないと、返済に苦しむことになります。ローンを借りようとしても、審査に通らないこともあるでしょう。   住宅購入後に安定した生活を送るためにも、住宅購入前に、年収に見合った住宅の金額を知る必要があります。   今回は、年収300万円で2000万円の注文住宅を購入すると仮定したうえで、住宅ローンを組む際の目安となる年収倍率や、月々の返済額などをご紹介します。

マイホームのローンは年収の何倍くらいが理想?

マイホームを購入する際のローンは、年収の7倍前後が目安になるといわれています。
 
2023年に実施された「フラット35利用者調査」では、2022年度に注文住宅を購入した方の年収倍率は、6.9倍とのことです。土地付き注文住宅の年収倍率は7.7倍であることから、マイホームのローンは7倍前後が理想といえるでしょう。
 
年収300万円を7倍にすると2100万円になるため、2000万円の注文住宅のローンを組むことは、数字上は特に問題ないように思われます。
 
ローンを組むときに、年収以外にもチェックしておきたいポイントは、職業の内容や賞与の有無などです。
 
例えば会社員で、賞与も安定して支給される場合は、安定収入が見込めるため、返済期間を短く設定できる可能性があります。加えて貯金する習慣もあれば、繰り上げ返済も実行できるでしょう。
 
年収の7倍前後を目安にしてローンを組むことに加えて、職業や習慣、また健康面なども視野に入れることがポイントといえます。
 

年収300万円で2000万円のローンを組んだ場合の月々の返済額は?

「フラット35利用者調査」によると、住宅ローンを組んだ方の総返済負担率は、2022年度で平均23.1%でした。
 
毎月の手取り額の約23%を住宅ローンの返済にあてると仮定すると、年収300万円の場合は、毎月いくら返済すればよいのかを計算をしてみましょう。
 
年収300万円の場合、月々の手取り額は約20万円であると考えられます。収入の23%を返済する場合、毎月4万6000円を住宅ローンの返済にあてる必要があるということです。
 
ただし、毎月4万6000円を返済するローンを組むと、元金だけでも、返済には36年以上を要することを考慮する必要があります。完済予定時のご自身の年齢をふまえて、計画を立てましょう。
 

年収300万円で2000万円の注文住宅を購入できる可能性はある

「フラット35利用者調査」により、年収の7倍前後で住宅ローンを組む方が多いことが分かりました。
 
年収の7倍を目安に住宅ローンを組む場合、年収300万円では2100万円まで可能となりますので、2000万円の注文住宅を購入できる可能性はあるでしょう。その場合は、返済額として毎月約4万6000円を捻出する必要があるうえに、完済できるのは36年以上後になると考えられます。
 
職業や収入、健康面などのさまざまな要素を考慮したうえで、支払えると判断ができた場合は、購入するのもありかもしれません。頭金や貯金額を増やしたり、ほかのローンがある場合は完済したりして、ポイントを押さえて審査を受けてみましょう。
 

出典

独立行政法人 住宅金融支援機構 2022年度 フラット35利用者調査 I調査結果の概要
 7 年収倍率(融資区分別)の推移(2012〜2022年度)(12ページ)
 8-1総返済負担率の推移(2012〜2022年度)(13ページ)
一般財団法人 住宅金融普及協会 住宅ローンにおける適切な返済期間とは?
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー