2024年に入り、日経平均株価はバブル期に記録された史上最高値を更新しました。さらに、従来のNISAに比べて非課税枠が拡大した新NISAが登場し、株式投資を考える方も増えています。新NISAは利益が非課税のため、効率的な資産形成が可能です。   ただし、貯金をすべて投資に回すのは高いリスクを伴うため、避けるべきです。本記事では、貯金をすべて投資に回すリスクや新NISAを利用する際のポイントについて詳しく解説します。新NISA投資を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

新NISAは非課税だが、貯金すべての投資はリスクが大

新NISAを利用すれば、一定の投資金額内で得た利益については非課税となりますが、「非課税=損失が出ない」というわけではありません。本項で、新NISAに貯金をすべて投資することがおすすめできない理由について、見ていきましょう。

 

投資には元本割れのリスクがある

新NISAは通常の証券口座と同様、投資先の価格が下落して損失を被る可能性があります。貯金をすべて投資に回すと、元本割れにより緊急時の資金や日常の支払いに影響が出る恐れがあります。
 
たとえ、元本割れリスクが低いといわれる商品やローリスク・ローリターンの商品を選んだり、分散投資を行ったりしても、元本割れリスクは常に存在することを考慮しておかなければなりません。

 

新NISAは投資枠が決まっている

新NISAは年間に投資できる金額が決まっているため、貯金をすべて投資に回せない可能性があります。
 
年間の投資枠は、つみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円です。これらの投資枠を併用しても、年間の投資上限は最大で360万円です。ちなみに、生涯投資枠は最大1800万円となります。
 
貯金額が投資枠よりも少ない場合はすべて投資に回せますが、貯金額のほうが多い場合は、新NISAだけではその全額を投資できない可能性をおさえておく必要があります。

 

新NISAを利用する際のポイント

新NISAを利用する際には、リスク管理が重要です。投資に生活資金ではなく余裕資金を使うことや、投資先を分散させることなど、これらのアプローチを取ることでリスクを軽減できます。特に、投資初心者の方は、リスク回避の方法を知っておく必要があります。
 
本項で、新NISAを利用する際のポイントについて詳しく見ていきましょう。

 

余裕資金を用いる

投資には、元本割れのリスクがあるため余裕資金を使うことが重要で、新NISAも同様です。生活資金をすべて投資に回してしまうと、損失が出た際に、家賃やクレジットカードの支払い、ローン返済、緊急時などの資金に支障が出る可能性があります。
 
もし余裕資金がない場合は、投資よりも「スキルアップして給料を上げる」「副業で収入を増やす」「生活費を節約する」などして、資金を増やすよう努めましょう。

 

分散投資を行う

金融庁や日本証券業協会では、NISAでの長期・積立・分散投資を推奨しています。分散投資は、投資先を複数に分ける資産運用手法です。もし投資先が1つだけの場合、その投資先の価値が下落すれば大きな損失が発生するリスクがあります。投資先を分散させることで、価格変動リスクを軽減できる可能性が高くなります。

 

新NISAでも損するリスクがあることを意識して投資しよう!

新NISAを利用することで、利益が非課税になり、効率的な資産形成が可能です。ただし、元本割れのリスクがあるため、貯金をすべて投資に回すのは危険です。
 
また、新NISAは投資の上限額が決まっているため、貯金をすべて使えない可能性もあります。特に投資初心者が新NISAを利用する際には、余裕資金を使い、分散投資を行うなど、常にリスクを警戒した運用をすることが重要です。リスクを考慮したうえで、無理のない範囲で取り組むことをおすすめします。

 

出典

金融庁 NISAを知る
日本証券業協会 NISAで長期・積立・分散投資がいいさ!
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー