会社勤めをして初めての給料をもらったとき、同年代の人たちとの差がどれくらいあるのか気になる人も多いと思います。   特に、同じ「大卒」の条件でも大企業に勤めた友人の初任給が自分より高かった場合「企業選びを間違えたのでは」と思ってしまうこともあるかもしれません。   本記事では、「大卒」で入社した人の初任給平均額や企業規模による差について、詳しくご紹介します。

「大学卒業」の初任給平均額はいくら?

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、令和5年における大学卒業時の初任給は23万7300円で、前年より3.9%増加しています。
 
大学卒業時の初任給平均額を男女別でみると表1の通りです。
 
表1

賃金 対前年増減率
男女計 23万7300円 3.9%
24万300円 4.6%
23万4300円 3.1%

※厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」を基に筆者作成
 
男女計で比較すると、高校卒が18万6800円、専門学校卒が21万4500円、高専・短大卒が21万4600円、大学院卒が27万6000円となっており、学歴が上がると初任給平均額も高くなるという結果が出ています。
 

企業規模別の初任給平均額を紹介

厚生労働省の「令和元年賃金構造基本統計調査(初任給)の概況」によると、大学卒業時の企業規模別初任給の平均額は以下のようになっています。

●大企業(常用労働者1000人以上):21万3100円
●中企業(常用労働者100〜999人):20万8600円
●小企業(常用労働者10〜99人):20万3900円

男女別でみると、表2の通りです。
 
表2

大企業 中企業 小企業
21万5900円 21万1100円 20万6000円
20万9700円 20万5200円 20万1800円

※厚生労働省 「令和元年賃金構造基本統計調査(初任給)」を基に筆者作成
 
上記のように、企業規模が大きいほど初任給が高くなる傾向があり、大企業と小企業では1万円近い差が出ることもあります。
 

初任給だけで企業を選ばないよう注意が必要

初任給が高いことは企業を選ぶ際の重要なポイントになると思いますが、それだけで選ぶことはしないほうがよいでしょう。
 
例えば、初任給が高くても昇給率が低い企業や、反対に、初任給が低くてその後の昇給率が高い企業もあります。
 
勤めて数年後には、月収が逆転することもあるかもしれません。
 
また、有給休暇消化率や離職率なども調べて、働きやすい企業かどうかを確認したうえで選ぶことも大切です。
 

企業規模で初任給に差が出ることもある

令和5年の大学卒業時の初任給平均額は23万7300円ですが、企業規模によって初任給に差が出ることもあります。
 
今回の事例のように、同じ「大卒」でも自分の初任給は「手取り18万円」、大企業に勤めている友人は「23万円」ということもあり得るでしょう。
 
しかし、初任給が低くてもその後の昇給率が高い企業もあるため、初任給だけで企業を決めるのではなく、働きやすさなどもチェックしたうえで選ぶことをおすすめします。
 

出典

厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概要 1 一般労働者の賃金(9) 新規学卒者の学歴別にみた賃金(15ページ)
厚生労働省 令和元年賃金構造基本統計調査(初任給)の概況 2 企業規模別にみた初任給(3ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー