近年では、低燃費のコンパクトカーやハイブリッドカーが国内でも多数登場しています。 しかし、なかには燃費より走りの快適さを求めて、スポーツカーを選ぶ方もいるでしょう。   そこで今回は、燃費性能8km/Lのスポーツカーにかかるガソリン代を算出し、通常の乗用車と比較します。

燃費が8km/Lの車にかかるガソリン代はどれくらい?

まずは、燃費性能が8km/Lの車にかかるガソリン代を算出します。
今回のガソリン代の計算では、以下の条件を仮定しています。

●車はカタログ燃費で8km/L
●走行距離100キロメートルあたりのガソリン代を算出
●ガソリンはハイオク

なお、ガソリン代の算出にあたっては、実際のガソリン代に近づくよう実燃費を採用します。実燃費とは、実際の運転における路面状況を考慮した燃費性能です。
 
実燃費は、カタログ燃費のおよそ70%〜80%といわれています。
そのため、今回の検証ではカタログ燃費8km/Lから実燃費に変換した5.6〜6.4km/Lを計算に用います。
 

ハイオクの価格は185円/リットル

経済産業省資源エネルギー庁によると、2024年5月13日時点のハイオクガソリンの価格は、全国平均で185円/リットルです。
 
ガソリンの価格は地域によっても違いはありますが、今回の検証ではこの185円/リットルで計算します。
 

カタログ燃費8km/Lで100キロメートル走ったときのガソリン代

今回の条件を当てはめて、スポーツカーのガソリン代を算出しましょう。
ガソリン代は、「ガソリン価格×走行距離÷燃費性能」の式から計算します。
 
条件をすべて含めると「185円×100km÷5.6km〜6.4km/L」となり、約2890〜3303円(小数点以下切り捨て)となりました。
 
またA社で販売されている最低グレードのコンパクトカーの燃費は、19.0km/L、ハイブリッドモデルのグレードで36.0km/Lでした。
 
同条件でガソリン代を算出した場合、最低グレードでも約1217〜1390円、ハイブリッドモデルなら約642〜734円です。
 
今回のスポーツカーと比較した場合、100キロメートルの走行でおよそ2〜4倍もガソリン代に差が生じることになります。
 

燃費性能の低い車でガソリン代を節約する方法

車の燃費性能は変わりませんので、車を替えない限りガソリン代の負担は避けられないでしょう。
 
しかし、ガソリン代は日頃の運転やメンテナンス・ガソリンスタンドの使い方次第で節約が期待できます。
 
そこでガソリン代の負担を減らす方法として、以下を試してみるとよいでしょう。
 

タイヤの空気圧をこまめに点検する

タイヤの空気圧が適切な範囲に収まっていないと、運転時の抵抗が大きくなり、通常時より燃費が悪化してしまいます。
 
タイヤの空気圧は自然に低下していくものであるため、メンテナンスはこまめに行いましょう。
 

セルフ形式のガソリンスタンドを利用する

セルフ形式のガソリンスタンドは有人より人件費がかかっておらず、ガソリン価格が低い傾向にあります。
 
燃費性能の低い車は短い距離でガソリンを多く消費してしまうため、ガソリン価格が1円下がるだけでも大きな節約効果が望めるでしょう。
 

不要なアイドリングを止める

車の駐停車時にエンジンを止めると、ガソリンの消費を減らせます。
エンジンをオンにしているだけでもガソリンは消費され続けるため、燃費性能の低い車ほど無駄なガソリン代が発生します。
 
ただし、信号待ちなどではエンジンの再点火に時間がかかるため、手動のアイドリングストップは安全上望ましくありません。
自動でアイドリングストップする機能が備わっているなら問題ありませんが、手動のアイドリングストップの場合は止めておきましょう。
 

燃費性能8km/Lのスポーツカーは通常の乗用車よりもガソリン代がかかる可能性がある

燃費性能8km/Lの車にかかるガソリン代は、通常の乗用車よりも2〜4倍ほど高いことが分かりました。
 
今回の検証では走行距離100キロメートルのケースで計算しましたが、数年間かけて使っていくことを考慮すれば、相当な額にのぼるでしょう。
 
家計の状況が芳しくないなら、今回ご紹介したガソリン代の節約方法も検討してみるとよいでしょう。
 

出典

経済産業省資源エネルギー庁 石油製品価格調査 調査の結果 1.給油所小売価格調査(ガソリン、軽油、灯油) 5月15日(水)結果詳細版
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー