日経平均は大幅続伸。1日の米株式市場でダウ平均は153.3ドル高と3日ぶり反発。財政責任法案が下院で可決されて警戒感が和らぐも、冴えない小売り決算が重しとなり、寄り付き後は軟調。一方、賃金指標の鈍化や高官発言を受けて6月の利上げ一時停止観測が高まると、ハイテク株の買い戻しが相場を下支した。ナスダック総合指数は+1.28%と反発。米株高を引き継いで日経平均は152.71円高からスタート。序盤は買いが先行したが、為替の円高が上値を抑え、31500円を手前に伸び悩んだ。ただ、香港ハンセン指数の大幅高が投資家心理を向上させ、前引けにかけて再び騰勢を強めると、午後は時間外取引のナスダック100先物の強含みも追い風に上げ幅を広げる展開が続き、心理的な節目を超えて週を終えた。

 大引けの日経平均は前日比376.21円高の31524.22円となった。東証プライム市場の売買高は13億4221万株、売買代金は3兆5210億円だった。セクターではパルプ・紙、輸送用機器、不動産が上昇率上位に並んだ一方、海運、空運のみが下落した。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の90%、対して値下がり銘柄は8%だった。

 個別では、ソフトバンクG<9984>やニデック<6594>を筆頭にキーエンス<6861>、パナソニックHD<6752>、日立製<6501>など主力の電気機器セクター株が大幅高。ダイキン<6367>、信越化学<4063>の値がさ株、三井物産<8031>、丸紅<8002>の商社も高い。ウクライナへの軍事支援を続ける米国が砲弾の増産に必要な火薬を日本企業から調達しようとしているとの一部報道から三菱重工<7011>、川崎重工<7012>、IHI<7013>の防衛関連も買われた。

 T&DHD<8795>、東京海上HD<8766>の保険の上昇が目立ち、第一生命HD<8750>はレーティング格上げも寄与。目標株価引き上げを受けて三菱地所<8802>、住友不動産<8830>も大幅高。エーザイ<4523>はアルツハイマー病新薬の米国での普及を期待視させる報道で大きく上昇。東証プライム市場の値上がり率上位にはインソース<6200>、マネーフォワード<3994>、Sansan<4443>、メドレー<4480>、MSOL<7033>などグロース(成長)株が多くランクイン。メンバーズ<2130>は「Web3」領域の事業拡大が好感された。

 一方、ソシオネクスト<6526>、東エレク<8035>、レーザーテック<6920>、アドバンテスト<6857>の半導体株が軒並み下落。米ブロードコムが決算発表後の時間外取引で下落していることが嫌気されたもよう。東証プライム市場の値下がり率上位には、5月既存店売上高の伸び鈍化が嫌気されたKeePer技研<6036>などが入った。