11日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。



・日経平均は大幅反落、幅広い銘柄が売られ1000円近い急落に

・ドル・円は下げ渋り、米金利に追随

・値下り寄与トップは東エレク<8035>、同2位はアドバンテスト<6857>



■日経平均は大幅反落、幅広い銘柄が売られ1000円近い急落に



日経平均は大幅反落。前営業日比984.84円安(-2.48%)の38704.10円(出来高概算10億株)で前場の取引を終えている。



8日の米国市場は反落。ダウ平均は68.66ドル安(-0.18%)の38722.69ドル、ナスダックは188.26ポイント安(−1.16%)の16085.11、S&P500は33.67ポイント安(−0.65%)の5123.69で取引を終了した。2月雇用統計が労働市場の減速を証明したため利下げ期待を受けた買いに寄り付き後、上昇。その後、半導体のエヌビディア株が過去最高値を更新後、下落に転じ同セクターでの利益確定売りに拍車をかけ、相場全体を押し下げた。ダウは根強いソフトランディング期待に支えられ底堅く推移も終盤にかけてプラス圏を維持できず相場は反落し終了。



米国株の下落や為替の円高推移を受けて、東京市場は売り優勢で取引を開始した。日経平均は39232.14円で寄り付いた後は、アドバンテスト<6857>、東エレク<8035>など値がさ半導体株の大幅安が影響して、38698.22円まで下げ幅を拡大。年初からの急ピッチな日経平均の上昇に対する反動も意識されている様子。一部では、期末に絡んだ年金のリバランスが入っているとの声も聞かれるなか、東証プライム市場の8割超が下落する全面安の展開となった。



日経平均採用銘柄では、アドバンテスト、東エレクのほか、スクリーンHD<7735>、ルネサスエレクトロニクス<6723>、ソフトバンクグループ<9984>など半導体株がきつい下げとなったほか、コンコルディア<7186>、みずほ<8411>など銀行株も下落した。このほか、川崎重<7012>、大平洋金属<5541>、三菱重<7011>の下げが目立った。



一方、大規模な自己株式の取得実施を発表した大日本印刷<7912>が大幅高となったほか、国内証券会社のレポートがポジティブ視されて住友大阪セメント<5232>が買われた。このほか、帝人<3401>、エーザイ<4523>、ニトリホールディングス<9843>、資生堂<4911>がしっかり。



セクターでは、鉱業、銀行業、輸送用機器、機械、証券・商品先物取引業の下落が目立った一方、パルプ・紙、その他製品の2セクターのみ上昇した。



本日は売り一巡後、押し目を狙う買いが入って、プライム市場の主力銘柄は下げ渋るかと思いきや、日経平均、TOPIXともにほぼ前場安値引けとなった。18-19日に開催される日本銀行の金融政策決定会合での「マイナス金利の解除」に対する警戒感が高まっており、13日の春闘集中回答の結果までは神経質な地合いが続く可能性はある。後場、日経平均が少しでも下げ幅を縮小し39000円台を回復するような展開を期待したいところだが、様子見姿勢が強まっていることから後場一段安も頭に入れておきたい。



■ドル・円は下げ渋り、米金利に追随



11日午前の東京市場でドル・円は下げ渋り。日銀による緩和的な金融政策の修正を見込んだ円買いが先行し、147円13線から一時146円53銭まで値を下げた。ただ、前週末海外市場で低下した米10年債利回りは小幅に上昇し、ドルは下げづらい展開に。



ここまでの取引レンジは、ドル・円は146円53銭から147円13銭、ユーロ・円は160円38銭から160円92銭、ユーロ・ドルは1.0936ドルから1.0946ドル。



■後場のチェック銘柄



・地域新聞社<2164>、エスポア<3260>など、8銘柄がストップ高



※一時ストップ高(気配値)を含みます



・値下り寄与トップは東エレク<8035>、同2位はアドバンテスト<6857>



■経済指標・要人発言



【経済指標】



・日・10-12月期GDP2次速報:前期比年率+0.4%(予想:+1.1%、1次速報:-0.4%)

・日・2月マネーストックM3:+1.8%(1月:前年比:+1.8%)



【要人発言】



・駐豪中国大使

「オーストラリア産ワインに対する関税の再検討が順調に進んでいる」



<国内>

特になし



<海外>

・米財務省・3年債入札