■今後の見通し



MonotaRO<3064>の2024年12月期の連結業績は、売上高は前期比12.7%増の286,570百万円、営業利益は同14.4%増の35,820百万円、経常利益は同13.6%増の35,835百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同15.1%増の25,096百万円と、売上高・各利益ともに10%を超える成長を予想する。



売上高に関しては、前期の増収率(12.5%増)並みの予想で依然として高い成長を見込む。同社の年間計画の予測は、ネット通販事業の登録年度別平均売上高を算出し、大企業連携顧客の成長を推測したうえで足し合わせて行っている。ネット通販事業・新規に関しては、1,027千口座(前期は1,100千口座)と前期からやや目標は下がるが、LTVがより高い法人は獲得数を増加させる計画である。2024年12月期は、新体制の下、既存顧客を「Micro」「Small」「Mid」「Large」にセグメントし、より緻密なマーケティングを展開する方針である。同社の顧客が多い「Small」における購買拡大を目的にパーソナライズ化や統合マーケティングを推進するなど、施策の精緻化を推進する。購買管理システム事業(大企業連携)に関しては、2024年12月期の売上高は86,382百万円(前期比28.3%増)と引き続き高成長を見込む。ロイヤリティ事業は、欧米Zoro事業が増収に向かうと見ているが、ロイヤリティの受領額は前期比で減少の見込みだ。



売上総利益率は29.7%(前期比0.2ポイント減)と下降に転じる予想である。大企業連携の販売価格の契約見直しによる継続効果が一部あるものの、同事業の売上比率の増加及び円安等が影響する。販管費率は17.2%(前期17.6%)と前期からさらに改善を見込む。箱当たりの売上の増加及び猪名川DCの生産性改善などによる業務委託比率減少が主なドライバーである。結果として、営業利益率12.5%(前期比0.2ポイント増)を予想する。弊社では、インフレに伴う価格見直しの効果が一巡し粗利率が低下するものの、猪名川DCの生産性が高まるなど、販管費率の改善が期待できると考えている。前期に手応えをつかんだ新マーケティング(後述)の効果は予算に織り込んでおらず、期中に効果が顕在化する可能性がある。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)