17日の香港市場は、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比177.08ポイント(0.91%)高の19553.61ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が63.32ポイント(0.92%)高の6934.70ポイントと続伸した。ハンセン指数は昨年8月1日以来、約9カ月半ぶりの高値水準を回復している。売買代金は1793億400万香港ドルに縮小した(16日は2048億9910万香港ドル)。





中国の不動産支援策が投資家心理を上向かせる流れ。何立峰・副首相は17日午後、地方政府を通じて売れ残り住宅を買い上げるという方針を示した。地方政府はその後、低・中所得層向けの「保障性住宅」に転換する。また、中国人民銀行(中央銀行)と国家金融監督管理総局は17日、住宅ローン規制をさらに緩和すると発表した。住宅ローンの金利下限を原則廃止するほか、頭金比率を一段と引き下げる。





一方、取引時間中に公表された中国経済指標はまだら模様。今年4月の鉱工業生産は予想を上回ったものの、4月の小売や1〜4月の固定資産投資が予想にとどかなかった。1〜4月の不動産開発投資は減少率が拡大している。中国景気の鈍化が懸念される中、指数は安く推移する場面がみられたものの、下値は堅く、引けにかけて上げ幅を広げた。(亜州リサーチ編集部)





ハンセン指数の構成銘柄では、中国中堅デベロッパーの龍湖集団HD(960/HK)が10.9%高、不動産管理サービスの碧桂園服務HD(6098/HK)が9.8%高、中国Eコマース最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ:9988/HK)が7.5%高と上げが目立った。アリババに関しては、米国の著名投資家が今年第1四半期(1〜3月)に同社株を買い増していたことが判明し、これが材料視されている。





セクター別では、中国の不動産が高い。上記した龍湖集団や碧桂園服務のほか、融創中国HD(1918/HK)が25.9%、雅居楽集団HD(3383/HK)が24.3%、万科企業(2202/HK)が19.4%、広州富力地産(2777/HK)が12.7%ずつ上昇した。





ゼネコンや素材(セメント、鉄鋼)などインフラ建設関連も物色される。中国中鉄(390/HK)が3.6%高、中国建築国際集団(3311/HK)が3.4%高、華潤建材科技HD(1313/HK)が6.5%高、安徽海螺水泥(914/HK)が2.4%高、鞍鋼(347/HK)と馬鞍山鋼鉄(323/HK)がそろって4.8%高で引けた。





中国の保険・証券セクターもしっかり。中国太平洋保険集団(2601/HK)が6.5%高、中国平安保険(2318/HK)が5.7%高、中国人寿保険(2628/HK)が5.0%高、中信建投証券(6066/HK)が4.7%高、中信証券(6030/HK)が3.5%高と値を上げた。





本土市場も続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比1.01%高の3154.03ポイントで取引を終了した。不動産株が高い。インフラ建設株、金融株、ハイテク株、軍事関連株、エネルギー株、公益株なども買われた。半面、医薬株は売られている。



亜州リサーチ(株)