会津経済研究会(木曜会・新城猪之吉代表幹事)の第324回例会は18日、福島県会津若松市の会津若松ワシントンホテルで開かれ、会津大理事長兼学長の束原恒夫さんが「会津大の現状と今後について」と題して講演した。束原さんは世界的に需要が高い半導体製造に触れ、「大規模製造工場を誘致すれば、会津大の学生が地元に残り、地域が活性化する」と提案した。

 半導体産業では現在、世界のIT企業の設計図を基に製造を請け負う台湾企業が躍進。日本にも工場が進出している。束原さんは「台湾大手TSMCの社員の半数は修士以上の専門家集団で、徹底した知識集約型」と説明。「こうした企業が会津に立地すれば、会津大の学生が残ったり、他県の大学に進んだ人が戻ったりすることにつながる」と持論を語った。

 会津大の現状については「研究科長、学部長とも外国人研究者が就く新体制となった。(海外出身者が多い)会津大らしさが出ている」と説明。世界大学ランキングでも国内上位に位置するなど、国際性の高さを紹介した。一方、受験生の確保には課題もあるとし「国内での評価がもっと高まるよう、学長が高校で会津大の特徴を説明する場を設けたい」と語った。宇宙分野などの研究・開発、地域貢献、産学連携の取り組みも示した。

 束原さんは会津若松市出身。会津高、東北大大学院応用物理学専攻修士課程修了。民間研究機関を経て2006(平成18)年に会津大コンピュータ理工学部教授に就いた。学生部長、理事兼コンピュータ理工学部長を歴任。昨年12月に理事長兼学長に就いた。

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 会津経済研究会は会津若松市を中心とした経済人の研修の場で、毎月第3木曜日に例会を開いている。事務局は福島民報社会津若松支社。

(会津版)