♪何度でも何度でも何度でも立ち上がり呼ぶよ―。音楽グループ「DREAMS COME TRUE」の楽曲「何度でも」は、震災、原発事故の発生直後からテレビやラジオで頻繁に流れ、被災者を勇気づけた▼13年前の未曽有の複合災害、2度の本県沖地震、台風19号と、相馬市は度重なる災禍に見舞われた。複数の宿泊施設は地震で地盤が沈み、建物に段差が生じた。天井が落ち、雨漏りする場所もあった。豪雨では1階が浸水し、泥に埋もれた。関係者は、つぎはぎでもするように修繕に追われた▼でも夜は必ず明ける。施設を再開させる動きが加速してきた。旅館1軒が今夏、松川浦で新装オープンする。JR相馬駅周辺では、解体されたホテルの跡地にビジネスホテルが再建される。待望の地鎮祭が、きょう21日にある。資材価格の高騰が経営に重くのしかかった。廃業が頭をよぎった経営者もいる。それでも、「にぎやかな古里を取り戻したい」と口をそろえる▼新生「相馬野馬追」は25日に出陣を迎える。6月には今季のホッキ漁が始まる。歴史、伝統、豊富な魚介類―。足を運ぶ素材はそろう。何度でも立ち上がる浜魂に触れに、相馬にお越しよ。何度でも。<2024・5・21>