空から落下し、住宅の屋根を突き破った謎の物体。
その正体と今後に向けた展開が、アメリカで大きな話題となっている。

船外廃棄した一部が大気圏で燃え尽きずに落下?

報じたのは、アメリカの科学技術系のニュースサイト「ライブ・サイエンス」。3月8日、フロリダ州の住宅を謎の物体が直撃し、屋根を突き破る事故が発生した。

その物体がこれ。長さ十数センチの円筒形で、重さは約900グラム。

この物体について現地メディアは、日本の宇宙航空研究開発機構=JAXAが、国際宇宙ステーションに運んだバッテリーパレットの一部である可能性があると報じている。

バッテリーパレットなどを積んだJAXAのロケットが、鹿児島県の「種子島宇宙センター」から打ち上げられたのは、2020年5月のこと。

(当時の実況アナウンス)
種子島の夜空が一気に明るくなりました。H2Bロケット最後の打ち上げ。種子島の夜空を明るく照らしながら宇宙に進んでいきます。

その後、分離された無人補給船「こうのとり」がISS=国際宇宙ステーションとドッキング。
バッテリーパレットや、食料などを届けた。

ISSは、地上から約400キロ上空の宇宙空間に作られた実験施設で、これまでに若田光一さんや、野口聡一など、多くの日本人宇宙飛行士が滞在している。

そのISSでは、2021年に使用済みのバッテリーパレットなどを積んだ貨物パレットなど約2.6トンを船外に廃棄。
その一部が、今年3月、大気圏で燃え尽きずに落下し、住宅を直撃した可能性があるという。

FNNの取材に、NASA=アメリカ航空宇宙局は、調査中だと回答した。
「3月28日に住人の協力を得て物体を回収し、 ケネディ宇宙センターで分析している」

住人は物体がISSのものだった場合、関係機関に損害賠償を求めるとしている。

世界各国が批准していている「宇宙損害責任条約」では、「宇宙物体が地表において引き起こした損害は、打ち上げ国が責任を負う」と定められている。

バッテリーパレットを捨てたのはISSだが、打ち上げたのはJAXAであるため、JAXAが責任を問われる可能性もある。

FNNの取材にJAXAは、「NASAから情報共有があり、NASAが実際にそういった物かどうかを調査している。NASAが主体で調査している」と答えている。
(「イット!」 4月5日放送より)