元日本代表DF栗原勇蔵氏の印象に残る中田氏は「笑顔で気さくに話しかけてくれた」

 元日本代表MF中田英寿氏は、言わずと知れた日本サッカー界の“レジェンド”だ。2006年に29歳で現役を引退して世界を驚かせたが、引退後も中田氏の肉体が現役さながらだったことを元日本代表DF栗原勇蔵氏が振り返っている。

 現在47歳の中田氏は日本代表としてワールドカップ3回出場(1998年フランス大会、2002年日韓大会、06年ドイツ大会)を誇るほか、欧州クラブで功績を残した日本サッカー界きってのカリスマ的存在。ベルマーレ平塚(現・湘南ベルマーレ)から98年にペルージャ(イタリア)へ移籍すると、2000-01シーズンには名門ASローマでスクデット(セリエA優勝)を達成。その後、パルマ、ボローニャ、フィオレンティーナとイタリアのクラブを渡り歩き、ボルトン・ワンダラーズ(イングランド)でプレーした。

 世界的な名声を得た中田氏はドイツW杯後の2006年夏に29歳の若さで現役引退。世界中をめぐり、さまざまな社会貢献活動を行ってきた。

 2002年に横浜F・マリノスでプロキャリアをスタートさせ、06年からレギュラーの座を掴んだ元日本代表DF栗原氏は、現役時代の中田氏との対戦はない。それでも、2011年8月4日に急性心筋梗塞で亡くなった元日本代表DF松田直樹さんの追悼試合(松田直樹メモリアルゲーム)が、12年1月22日に日産スタジアムで開催された際、栗原氏は横浜FMのOBおよび現役選手で構成された「横浜F・マリノス OB」、中田氏は日本代表時代のチームメイトを中心とした「Naoki Friends」の一員としてピッチに立ち、対戦した。

「ヒデさんの現役時代に対戦経験はなく、テレビで見ていた人。言わずと知れたスーパースターでオーラが凄いから、どんな人かと緊張しましたけど、物腰が柔らかく、笑顔で気さくに声をかけてくれたのを覚えています。短い時間の中で、どれだけスーパーな人でも、周囲の人への対応の大切さや礼儀を学ばせてもらいました」

 当時、フィジカルの強さに定評のあった中田氏は2006年7月の現役引退から5年半の月日が経過していが、栗原氏によれば「現役選手のような身体つきをしていた」という。

「もちろん、サッカー選手として戦う筋肉ではなくなっていたとは思いますけど、外見はシュっとして余分な脂肪がついていない、バキバキでスマートな体型でした。現役サッカー選手よりも体脂肪率は低かったんではないかなと。普通に動けていたので、運動をしていたのかなと思った記憶があります。ガチンコ勝負ではないですけど、マッチアップもしたので、現役バリバリの時にどれだけ凄かったのか、ぶつかってみたかったですね」

 最後に、栗原氏は記憶に残る瞬間として、「僕とカズさん、シュンさん(中村氏)、ヒデさんとの一枚があって、今考えると、公式戦ではないですけど、日本を代表するトップスターたちと収まったとんでもない写真だなと思います」と、笑顔で回想していた。

FOOTBALL ZONE編集部