W杯アジア2次予選でインドネシアに2連敗で連盟は決断

 ベトナムサッカー連盟は3月26日、元日本代表監監督でベトナム代表を率いるフィリップ・トルシエ氏との契約を解除した。トルシエ氏は中国でも監督経験があることから、中国国内でも反響を呼んでいる。

 北中米ワールドカップ(W杯)のアジア2次予選は3月26日に第4節を実施。日本代表対北朝鮮は中止となったが、そのほかの国々は熱戦を繰り広げた。

 ベトナムはホームでインドネシアと対戦。3月21日のアウェー戦で0-1と敗れたベトナムにとって是が非でも勝利した一戦だったが、インドネシアに0-3で敗れた。アジア3次予選進出が絶望的となり、同日夜にベトナムサッカー連盟はトルシエ監督との契約解除を発表した。

 トルシエ氏は中国でも監督経験あることから、中国でも知名度は高い。今回の事実上の解任劇に、中国有数のサッカーメディア「足球報」は、「トルシエ氏は(前ベトナム代表監督の)パク・ハンソ氏が築き上げたベトナム代表に、3つの屈辱的3連敗を残した。まず年初めのアジアカップで3連敗、続いてW杯予選で3連敗、さらにベトナムのファンが最も許せないのは以前格下だったインドネシアへの3連敗だ」と報じたうえで、「日本代表を率いた2002年の日韓W杯以降、8回連続成績不振により監督解任または辞任している」と、日本代表監督以降トルシエ氏が監督として振るわないことを指摘した。

 トルシエ氏が監督を務めていた深圳の番記者で、親交もある程文莉(チェン・ウェンリー)氏は、「解任は仕方ない」としたうえで、「トルシエ氏は若手を重用しすぎたため、そのツケを払わされた。また主力の負傷者が続出するなど運も悪かった」と分析している。

 一方でファンのコメントを見ると、ベトナムやトルシエ氏に限らず、インドネシアの急成長への注目度が高かった。インドネシアは旧宗主国・オランダ出身選手が急増、ベトナム戦でもDFジェイ・イゼス(セリエBベネチア所属)、MFラフナル・オラトマンフーン(オランダ1部フォルトゥナ・シッタート所属)が得点決めるなど、先発の半分がオランダ出身者だった。

「トルシエも可哀想だ。インドネシアが急にオランダになったのだから」と、インドネシアの急成長に驚く声もあった。

FOOTBALL ZONE編集部