FC東京GK波多野が東京Vとの試合を回顧

 16年ぶりのJ1での東京ダービーを前に、FC東京のGK波多野豪はこの一戦を盛り上げるため、ライバルとの関係を煽るようなコメントを発していた。4月13日のリーグ第8節東京ヴェルディ戦当日、先発出場した波多野は何度も好セーブを見せたが、2失点を喫して2-2で終わった試合への悔しさを隠さなかった。

 波多野は試合を振り返り、「シンプルに勝ちたかったですね。僕が本当に負けちゃいけないし、引き分けも許されないゲームだったので。10人とはいえ、本当に勝ちきれなかったことが、とても悔しいです」と悔しがった。

 相手に与えた先制点は防ぐのが難しいPKの状況だったが、「何か止められるなっていう感じはしたんですけど、相手の方が少し上だった感じなので、次は止められるように頑張りたいです」と言い、FW染野唯月に決められたスーパーボレーは「2点目も、なかなか良いボレーシュートだったので…。褒めたくないですけど、すごかったですね」と、止めることが難しかったと認めた。

 2点のビハインドに加え、FW安斎颯馬がこの試合2枚目のイエローカードを受けて前半43分で退場になる。第3節の神戸戦(1-2)ではDFエンリケ・トレヴィザンが、第5節の川崎フロンターレ戦(0-3)では、波多野自身が退場となっており、これが今季3度目の途中から10人で戦うゲームとなってしまった。

 数的不利になれば、戦い方を統一するのは難しいが、そうした経験があったことが、プラスに働いたと波多野は考えている。「前回、僕が(川崎戦で)退場して、そのあとに10人になっても、みんなでもう一回まとまって、ゲームを進めていこうという話をしていたので、今日はその時の反省が生かされていたかなと思います。10人になったあとも、ベンチの前でみんなで集まって監督の話をしっかり聞いていたので、その後も良い戦いはできたかなと思います」とチームは状況に落ち着いて対応していたと説明した。

 ハーフタイムも、「下を向かないで、どんどん自分たちのサッカーをやろうという雰囲気でした」と言う。後半の立ち上がりに押し込まれた場面も、「まずは20分耐えながら」戦い、「うちの選手は速い選手も多いので、カウンターで仕留めようとなっていた。ヴェルディも結構バテていたので、うちのゲームになってきたな」と途中からは思えていたという。

 それでも、ここで3点目を決められていたら試合が終わっていた可能性は高い。アタッキングサードまでボールを運ばれる回数も多く、ゴール前に戻ってきたDFバングーナガンデ佳史扶に当たったボールが枠をとらえたシーンもあったが、GK波多野が3点目は許さなかった。「多分、僕の意地でしょうね。ヴェルディだけには負けたくない意地が出たんだと思います」と、ダメ押しゴールを許さなかった要因を語り、次のホームゲームとなる東京ダービーに向けて「そこは絶対に勝ち点3を取りたい」と、今季の東京ダービーを1勝1分で終えることと誓った。

FOOTBALL ZONE編集部