香川の功績の大きさにも触れつつ、5人の現役選手を紹介

 かつて欧州でも活躍した選手が今、Jリーグでファンを魅了している。英メディア「Planet Football」が、「まだ日本でプレーしているのが信じられない5人の忘れ去られた選手たち」をピックアップして紹介した。

 同メディアはヨーロッパの強豪クラブに在籍経験のある5人のJリーガーを厳選。まず挙がったのはセレッソ大阪に所属する元日本代表MF香川真司だ。プロデビューしたC大阪から2010年夏に海外へ渡った香川は、ドイツ1部ボルシア・ドルトムント、イングランド1部マンチェスター・ユナイテッドなど名門で功績を残す。

 ドルトムントでは2度のブンデスリーガ制覇(2010-11、11-12シーズン)、ユナイテッドでは2012-13シーズンにプレミアリーグ優勝も経験。欧州ではスペイン(レアル・サラゴサ)やトルコ(ベシクタシュ)、ギリシャ(PAOK)、ベルギー(シント=トロイデン)のクラブにも在籍し、2023年シーズンに古巣であるC大阪に復帰している。

 経歴としてヨーロッパ在籍時代を「イングランドで過ごしたのはわずか2年だったが、オールド・トラッフォードでは瞬く間にカルトヒーローの地位を確立した。この日本人プレーメーカーは、ユナイテッドでのデビューシーズンにプレミアリーグを制覇し、数々の記憶に残る瞬間を演出した」と紹介。「ドルトムントでのプレーが最も有名であることは間違いない」と輝かしいドイツでの功績も称えている。

「香川のファンにとって、35歳になった現在も活躍を続けていることは喜ばしいことだろう。彼のブーツには、まだまだ魔法が残されている」

 そして2人目は38歳の元フランス代表FWバフェティンビ・ゴミス。昨季より川崎フロンターレに加入したゴミスについて「スウォンジー・シティとリヨンで活躍したこのフォワードは、そのユニークなセレブレーションでよく知られている」と紹介。「日本でまだ得点はないが、初ゴールの瞬間はもうすぐ訪れるはずだ」と期待を寄せた。

 続いて挙がったのは横浜F・マリノスのFW宮市亮。「彼は世界中の多くのクラブを魅了する、生粋の能力を持っている」と名将アーセン・ベンゲル氏の言葉を回顧し才能を称賛。かつてイングランド1部アーセナルにも所属した宮市は、度重なる怪我に悩まされながらも復活を遂げてきた。今季横浜FMでゴールはないが、左サイドで光るスピードは今も目を見張るものがある。

「このウインガーはアーセナルでわずか7試合の出場にとどまった。2015年にクラブを去ったが、母国で再びキャリアを軌道に乗せることに成功した。現在は横浜F・マリノスでプレーしているが、31歳の彼が自分自身のために頑張っているのを見るのは嬉しいことだ」

W杯4度の出場を誇る長友、昨季ベスト11入りの武藤の名前も

 4人目は、3月に北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選のメンバーとして日本代表へ復帰したDF長友佑都だ。現在37歳の長友は、イタリアの名門インテルで名声を高めた。W杯も2010年の南アフリカ大会から4大会連続で出場した百戦錬磨の長友は、古巣であるFC東京に2021年夏に復帰。今季J1リーグでは6試合1ゴールの成績を残している

「インテル・ミラノで9シーズンプレーし、200試合以上に出場したにもかかわらず、長友がイタリアで手にしたトロフィーは1つだけだった。FC東京のフルバックは、37歳を迎えてもなお健在である」

 最後に紹介されたのは、昨年ヴィッセル神戸でクラブ創設29年目初のJ1タイトルに貢献した元日本代表FW武藤嘉紀。昨季はチーム2位の10ゴール、さらにリーグ4位タイの10アシストを記録し、2014年以来となるJリーグベストイレブン選出された。

 ドイツ1部マインツや、イングランド1部ニューカッスル、そしてスペイン1部エイバルでもプレーしてきた武藤。「この日本人ストライカーはニューカッスルに在籍中、期待に応えることはできなかった。わずか727分プレーで1ゴールのみ」とイングランド時代の苦悩を伝えつつ「日本で再びキャリアを軌道に乗せることに成功している」と神戸で復活したストライカーを取り上げていた。

FOOTBALL ZONE編集部