●「その3人はゴールの匂いが強い」

 サッカーU-23日本代表は4月16日、AFC U-23アジアカップカタール2024・グループリーグB第1節でU-23中国代表と対戦し、1-0で勝利を収めた。パリオリンピック(パリ五輪)出場に向けた初陣で、日本サッカーに精通するイングランド人ライターのショーン・キャロル氏に随時話を聞いた。(語り手:ショーン・キャロル)
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――今日から始まるU-23アジアカップもよろしくお願いします!

「よろしくお願いします!」

――先発メンバーが発表されました。ショーンさんの予想と違う選手はいますか?

「個人的に山本(理仁)の代わりに川﨑(颯太)か田中(聡)、そして細谷(真大)の代わりに荒木(遼太郎)か藤尾(翔太)にするかな…。勝ち進めば過密日程になるから、色々な選手を使う必要があるね」

――日本はアグレッシブにプレスをかけていますね。去年のアルゼンチン戦や3月の試合と同じプランでしょうか。

「だと思う。相手に時間を与えないようにプレスすると思う。できるだけ早く先制点が欲しいね」

――平河悠にチャンス。そのあと、山田楓喜のクロスから松木玖生に惜しいシーンがありました。

「いいスタートだね! その3人はゴールの匂いが強い」

――3人ともJリーグで調子が良いですね。

「そうだね」

――決めた!!! 山田のクロスから松木ですね。先ほどと同じ形でした。

「やった! 東京のコンビだ!(笑)。クロスの質も高かったし、フィニッシュも冷静だった」

――違う東京ですね(笑)

「緑+青と赤=サムライ・ブルー!」

●「山本理仁はかわいそう」

――え、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)ですか?

「心配だね…」

――西尾隆矢にレッドカード!? 左腕が相手の顔に当たってしまいましたか…

「ジャッジが少し厳しいけど、そういうことをするとその(レッド)恐れが出てくる」

――松木、高井幸大、関根大輝、内野貴史という4バックになりました。

「本当のCBをもう1人入れてほしいけどね…」

――山本→木村誠二に交代ですね。

「山本はかわいそうだけど、仕方がない。4-4-1か?」

――そうですね。10人になってしまったので。松木と藤田譲瑠チマがボランチで、CBは左に高井、右に木村になりました。

「我慢する時間が長いけど、この10人に頼みたい!」

――10人ですが、1-0で勝っています。まだ60分以上ありますが、日本はどう戦うべきでしょうか?

「その1点は本当に宝だね! この後はより気をつけないといけないと思うけど、引いて守らない方がいいね。できるだけプレッシングを続けてほしいし、チャンスがある時に山田と平河のクオリティを生かして攻めてほしい」

――アグレッシブなプレッシングを続けないといけないですね。

「身体的に難しくなると思うけど、立ち上がりに言った通り、色々な選手がこの大会で役割を持っているので、ベンチメンバーの貢献にも期待できるね」

――ベンチには走れる選手も多いので、采配も重要ですね。

「そうだね!」

●「やめた方がいい!(笑)」

――中国のシュートがクロスバーに直撃しました…

「入っていなかったね。でもすごいシュートだった!」

――松木の運動量も凄いですね。ラインを越えてしまいましたが、チャンスになりそうでした。

「印象的だけど、タフな後半がまだあるから、無駄なランニングは少しやめた方がいい!(笑)」

――ちょっとクロスから危ないシーンでしたが、小久保玲央ブライアンは落ち着いて止めました。

「冷静で存在感があるね」

――小久保が素晴らしいプレーを連発です!

「頼もしいね! DFの自信にもなる」

――クロスをパンチングした。これも素晴らしい…

「判断力も良いね」

――日本は1-0で前半を終えましたが、10人になった後のパフォーマンスはどうでしたか?

「もちろん試合が難しくなったけど、全体的に良かった。少し危ない場面もあったが、ほぼ中国はロングシュートだった。大事な大事な1点をすでに持っているし、このまま戦おう」

――初戦からこんなことになるとは思わなかったです…

●「また小久保が…」

――中国は2人交代、日本はそのままで後半が始まりますね。

「中国は攻めないといけないからね」

――危ない…サイドを突破されましたが、小久保が救った。

「また小久保が良い仕事をした! ピンチの場面が増えると思うけど、中国は前に人数をかけているから、平河や山田にチャンスはありそう」

――日本は後半も大きな変化はないですか?

「とくにないね。とりあえず持っているものをキープして、リスクを取らないという姿勢だね」

――日本の左サイドから崩される場面がいくつか続いていますね。

「そうだね。狙われているかな?」

――そろそろ交代もありそうですね。誰を入れるのがいいでしょうか?

「僕が監督ならば、細谷に代わって川﨑か田中だね。ゼロトップで、4-3-2のフォーメーションが効果的と思う」

――MFを増やすということですね。

「そうだね」

――この5分くらいは中国にボールを回される時間が続いたので、日本も体力的には厳しいかもしれないですね。

「松木か田中が偽の9番の役割もできそう」

――佐藤恵允と藤尾が入るみたいですね。ショーン監督とは違うチョイスでした。

「まだ30分あるから交代した方がいいね。大岩(剛)監督の方が僕より分かっていると思うから、信頼します!(笑)」

――平河と山田→藤尾と佐藤ですね。両ウイングが変わりますね。

「藤尾と佐藤は2人とも運動量がいい選手だしね。ウインガーより中盤的な貢献ができそう」

●「記事で書いた通りに…」

――佐藤のアグレッシブな守備がありました。

「藤尾と佐藤が入ってから流れが少し変わった。さすが、大岩監督!」

――松木の無回転FKも惜しかった!

「CKになって良かった。少し押し込む時間を伸ばせればね。ずっと守ると疲れちゃう」

――インスイングで直接ゴールに向かうCKでしたが、これも小久保のセーブです!

「今日は負け知らずね!」

――後半30分まで、シュート数は日本3対中国9ですね。10人で厳しい戦いが続きますが、あと15分です。

「中国は3倍のシュートを打っているけど、ほぼボックス外からだね。日本の規律と守備の組織はこれまで良かったと思う」

――藤尾が粘り、そしてFKを獲得しました。

「よくやったね藤尾。日本のチャンスになって、中国が攻めなくなるし、時間を潰せる。すごく大事な貢献だった」

――日本はあと1回、2人交代させることができますが、どうするのが良いでしょうか?

「難しいね。荒木はカウンター面でいいかもしれない」

――佐藤の守備からカウンターでした。松木の体力も凄いですね…

「藤田もね! 記事で書いた通りに、あの2人はチームの心臓だね」

●「西尾隆矢はみんなに…」

――松木の素晴らしいシュートブロックでした。

「勇気があったと思うけど、そんなに痛くないと思う。流れを崩すために倒れたかな(笑)」

――中国はGKがFWで入りましたか?(笑)

「ありえないね!(笑)」

――マンガですか?(笑)

「高橋(陽一)さんはこの前、キャプテン翼をやめた(4月でマンガでの連載が終了)でしょ? 中国に移籍したか?(笑)」

――試合終了です

「よく戦った! そして大岩監督の采配も素晴らしかった」

――試合を振り返りましょう。まずは西尾の退場がありました。あれはとても厳しいプレーでしたね。

「微妙な判断だと思いますが、彼は絶対悔いがあると思う」

――日本の10人になってからの試合運びはどうでしたか?

「ピンチがなかったわけではないけど、良かったと思う。中国はボックス内のシュートがゼロに近いと思うし、日本のディフェンスの組織と選手の距離は良かったと思う」

――1-0で守り切れた理由はなんでしょうか?

「いくつかあるね。小久保も良かったし、日本の運動量も良かった(とくに中盤の松木と藤田)。大岩監督もいい仕事をして、運もあった。全体的に勝利に値する」

――そうですね。苦しい試合でしたが、選手たちはタフでしたね。

「体力的にも精神的にもタフだったが、一丸となって勝利した。今夜、西尾はみんなにケバブを奢らないと」

――それは絶対にしないといけませんね。次のUAE戦もお願いいたします!

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