セリエA第36節、ラツィオ対エンポリが現地時間12日に行われ、ラツィオが2-0で勝利を収めた。この試合で先発出場し、87分までピッチに立った同クラブの日本代表MF鎌田大地に対して、イタリアメディア『Laziochannel.it』が高い評価を下している。

 ラツィオのイゴール・トゥドール監督は、定番としつつある3-4-2-1のシステムをこの日も採用。鎌田をリーグ戦7試合連続で先発で起用し、ダブルボランチの一角でプレーさせた。23分、その鎌田が見せ場を作る。相手陣内のセンターサークル付近でパスを受けると、ドリブルで前に運び、キャプテンのチーロ・インモービレに右足アウトサイドで絶妙なスルーパスを送る。インモービレが、ファーストタッチの際にバランスを崩し、シュートを打ち切ることができなかったが、鎌田のコンディションの良さが伺えるプレーだった。

 その後も鎌田は常にビルドアップの起点となり、簡単にボールを捌いてチームの攻撃のリズムを作り出した。守備では序盤でミスがあったが、出足の良い素早い寄せと強度の高さを見せ、攻守に躍動している。1-0で迎えた87分には、イタリア人MFダニーロ・カタルディとの交代でピッチを去るが、観衆からは大きな拍手を受けた。

 同メディアは、「カマダ、再発見された侍」とタイトルを掲載し、「なんて凄い選手だ。ドイツでプレーしていた頃のようなカマダが戻ってきた」と称賛。さらに、「ラツィオのユニフォームを身に纏って以来、最高のパフォーマンスだったと容易に断言できる」と最大級の賛辞を送っている。前監督のマウリツィオ・サッリ政権下では、満足のいく出場機会を得られなかった鎌田だが、シーズンの佳境を迎えた中で、輝きを放っている。確実に調子を取り戻しており、このパフォーマンスが、今シーズン限りで契約満了を迎える去就にも影響を及ぼすことになるだろう。

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