プレミアリーグでは、来シーズンからビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が廃止される可能性があることがわかった。イギリスメディア『デイリー・ミラー』が、現地時間15日に報じている。6月6日に開催される年次総会で、来季以降、VARの使用についての可否を問う投票が行われることとなった。

 導入後から、依然として議論の的となっているVAR。プレミアリーグでは、2019年の8月9日に行われたリバプール対ノリッジ・シティを皮切りに使用されてきた。ウルバーハンプトン・ワンダラーズ(ウルブス)が、プレミアリーグに対して、VARの廃止を求める意見書を正式に提出したと伝えられている。

 その内容は、「導入されたことに責められることはない。我々は皆、フットボールにとって可能な限り最高の結果を求めているだけだ。そして、全ての関係者は、VARの導入を成功させるために懸命に努力してきた。しかし、プレミアリーグでのVARの5シーズンを経て、その将来について建設的かつ重要な議論をする時期が来た。精度を少し向上させるために代償を払っているが、それは我々のフットボールの精神に反するものだ。したがって、2024/25シーズン以降は、VARを廃止しなければならないだろう」とつづられている。

 さらに「意図せぬマイナスな結果を数多く引き起こした。サポーターとフットボールの関係を損ない、プレミアリーグのブランド価値も低下させている」と強い不満が示されている。自然発生するゴールの歓喜、長時間の及ぶ映像チェックによるフラストレーションと混乱、審判の説明責任の低下、そして、今もなくならない数々のミスが、ウルブスにとっては受け入れ難いものとなってしまったようだ。

 ウルブスによる意見書が可決されるには、プレミアリーグの全20クラブのうち、3分の2以上の賛成が必要だ。仮に14クラブ以上のクラブが、この提案に同意すれば、来季からVARの使用が中止となる。リーグの広報担当者は、「プレミアリーグは、VARの使用を全面的に支持しており、PGMOL(プロ審判協会)と、共に試合とファンの利益のためにシステムを継続的に改善することに引き続き取り組んでいく」とコメントした。スウェーデンでは、VARの導入が見送られており、VARの運用に関しては、各リーグで今後新たな動きが見られることとなりそうだ。

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