人の嫌がることをしてはいけません! 誰もがわかっているはずのことですが……。筆者の知人Aさんの夫は嫌だと言っても「お前」と呼ぶのをやめてくれませんでした。しかし、その様子を見ていた息子たちがとった行動で、夫のお前呼びは収まることに。いったい何が起きたのか、Aさんから話を聞きました。

何度言っても止めない夫の「お前呼び」

Aさんは結婚15年目、息子2人と夫と幸せに暮らしていました。そんなAさんですが、1つだけ大きな不満を抱えていました。

それは夫がAさんのことを「お前」と呼んでくること。子どもが小さいうちは「ママ」と呼ばれていたのですが、子どもが大きくなってきた数年前から「お前」と呼んでくることが増え、Aさんは不満に感じていました。

「お前って呼ばれるのは嫌だ」と伝えてはいたのですが、夫がお前呼びを止めることはなかったのです。

息子のとった行動

ある日、中学生の息子たちが夫に向かって「お前」と呼び始めました。

夫は当然、「親に向かってお前とは何事だ!」と注意します。しかし、息子たちは言い返します。

「いつもお母さんがお前って言わないでって言っても止めないじゃん」
「呼び方なんてどうでもいいって、お父さんがいつも言ってることだよ。僕たちがお前って呼ぶのはダメなの?」

これまでの行動をしっかりと見られていた夫。子どもに対して何も言い返すことができず、怒った態度になり部屋に閉じこもってしまいました。

子どもは親を見ている

しばらく経って部屋から出てきた夫。反省したようでAさんに対し謝ってきました。

「これからはお前って呼ぶのを止める。今までごめんな」

息子たちから「お前」と呼ばれたことは、夫にとって非常に大きなショックだったようです。思った以上に、親の言動を見ていた子どもたち。主張もしっかりとしてきたものになり、親が学ばされることも多くなってきました。

ありがとう子どもたち! 改善した夫の悪癖

母が嫌がる姿を見て、助けてくれた子どもたち。Aさんは子どもたちを頼もしいと感じるとともに、自分の言動にももっと注意が必要だなと気を引き締めなければならないと感じました。

その後、夫は宣言通りAさんのことを「お前」呼びしてくることはなくなりました。お前と呼ばれるのが大嫌いだったAさんは、快適に暮らせるようになり喜んでいます。

親は子どものお手本である。子どもが大きくなってきても、そのことは忘れずにいたいものですね。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:安藤こげ茶