世界に約400ある有料水族館のうち、150近くが日本にあるという。フォトグラファー・野辺地ジョージ氏が撮影する数々の被写体・シリーズの中で、最も古いのが水族館であり、少年時代の思い出をたどる「旅」だ。日本人にとっての水族館とは何なのか…写真と文で繙いていく

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1934年に開館の老舗

真夏の日差しを浴びながら青い日本海をバックにイルカが宙を飛ぶ。「バッシャーン」というしぶきを上げてプールを泳ぎ回る。ここは新潟県上越市立水族博物館うみがたり。1934年に開館し、最も最近のリニューアルは2018年にあった老舗の水族館である。

2023年の7月に訪れた当館はイルカスタジアムの他、ゴマフアザラシのプール、「マゼランペンギンミュージアム」、「日本海テラス」などオープンエアの水槽が多くあるのが特徴だ。快晴の日には神秘的な光が観客を魅了する一方、夏と冬の寒暖差など過酷な気候は課題でもある。


写真を拡大 ゴマフアザラシの水槽は、まるで宇宙船の中のように見える(C)2015〜2024 George Nobechi