恥ずかしい失敗
ブランド品に関してはわたし自身、恥ずかしい失敗をしたことがあります。
大金を得る機会があったとき、駅の近くの店であるブランドのバッグを買いました。新しい型だし、と7万円で購入。おまけに蜂蜜で作ったボディスクラブまでくれました。
安い上におまけ付きだ! ある日、電車に乗ったときのことです。バッグを膝に置いて座っていると、いかにもなおじさんがスタスタとやってきて一言。
「そのバッグ、ニセモノだよ」
幸い、電車は空いていましたが、それでも周りの人がチラ見しています。
「ほら、この部分が反っているだろ。ニセモノの印。見る人が見るとすぐにわかるよ」
そのあと、こう続けました。
「ニセモノはただの塩化ビニールだから数千円、まあ、本物だって素材は同じだけどね」
そのニセモノバッグは、今も押し入れの奥にあります。ニセモノと断言されたバッグは使うに使えず、それでもブランド仕様の模様が目立つので捨てるに捨てられない。いつか袋に入れて捨てるしかないですね。
「値段が1万円程度だったら買ってなかったな……」と思うと、自分の愚かさが恥ずかしくなります。
かつてのわたしほどではないでしょうが、高いモノ=質がいいという思い込みは多くの人にあります。その心理的な誘導効果は結構大きいものです。
※本稿は、『73歳、月5万円でますます快適! 「ちょうどいい」を自分で創る ごきげんプチプラ生活』(廣済堂出版)の一部を再編集したものです。