長く世界の第一線で戦い続けた、福島県の富岡高校出身バドミントン・日本代表の桃田賢斗選手が代表を引退をする。震災後、桃田選手が過ごした下宿先の夫婦からは労いの言葉が聞かれた。

<感謝の気持ちを伝えたいと会見へ>
「自分なりに試行錯誤はやってきたつもりではいたが、気持ちと体のギャップというか、そういうのが続いていく中で、このまま世界一を目指そうというところまでいけなく判断した」

<桃田選手のこれまで>
中学・高校の6年間を福島で過ごした桃田選手。高校1年生の時に東日本大震災・原発事故が発生。福島県猪苗代町へ避難した後もバドミントンを続け、世界ジュニア選手権・優勝など、学生時代から輝かしい成績を残した。
2016年、違法賭博が発覚し出場停止処分に。再出発した2018年、日本男子初の世界ランク1位に立つと、翌年には国際大会で11勝をあげ、ギネス世界記録に認定された。
東京オリンピックでのメダルに期待が膨らむ中…マレーシアで交通事故に遭遇。
顔などをケガし、その後目の不調などに苦しんだ。
そして、東京オリンピックはまさかの予選敗退。パリオリンピックを目指したが出場が絶望的となり、2024年4月末から始まる大会で代表引退を決めた。

<下宿先からは感謝の言葉>
桃田選手の下宿先だった、福島県猪苗代町のペンションの平山眞さんと平山とし子さん。桃田選手に贈る言葉は感謝しかないと話す。
とし子さんは「勇気と希望を与えてくれて、大会ごとに感謝の気持ちを言ってくれるので、私たちも関われて幸せだった」と振り返る。
眞さんは「事故もありケガもあり、そんな中で諦めずに続けてきたというのが、素晴らしい。子どもが大好きだと思うので、郡山でも教室開いたり、参加したりしてくれているので、バドミントン大好きな子ども達を集めて、バドミントンの世界に貢献して貰いたいな」と話した。

<桃田選手のこれから>
桃田選手は代表から退くが、国内の大会に出場しこれからもバドミントンの楽しさを伝えていきたいとしている。
「本当に僕が苦しい時に、福島県の方々からのメッセージはすごく心強かったですし、これからは僕がもらった分、少しずつ恩返しをしていけたらいいと思います」