ここまで1点差試合を11勝3敗と驚異の勝負強さを見せる

■阪神 1ー0 ヤクルト(18日・甲子園)

 僅差のゲームを勝ち切る力が首位の原動力だ。阪神は18日に行われたヤクルト戦(甲子園)を1-0で勝利した。今季初登板のビーズリーが5回2安打無失点、7奪三振の好投で初勝利をマークすると、打っても4番・大山が決勝打。この1週間で3度目の“1-0勝利”に岡田彰布監督も「今日は1-0で勝つしかないでってベンチでも話してたんや」と、予想通りのゲーム展開だったことを口にした。

 痺れる投手戦はわずか2時間39分で決着がついた。この日、先発のマウンドに上がったのは2軍戦で29イニング連続無失点と好調をキープしていた来日2年目のビーズリー。最速153キロの直球とカットボール、スライダーを武器に安定感ある投球で5回無失点、7奪三振の力投だった。

 打線は4番の大山が4回無死一、二塁の好機で先制の左前適時打。2試合連続の適時打と、復調の兆しを見せた4番の一打で勝利を手にした。接戦をものにした岡田監督は「もうシャットアウトするしか勝つのないやん。それしかない。それだけブルペンに任せられるから、それは強みやわな」と、投手陣の躍動を称えていた。

 これでチームは今季の1点差試合を11勝3敗と、驚異的な勝負強さを見せている。チーム打率.225はリーグ最下位と打線が苦しむなかでも先発、リリーフ陣を上手く使い分け勝機を逃さない。リーグトップのチーム防御率2.24をマークする投手陣の活躍が、首位を走る原動力なのは違いない。

 この日も岡田監督は5回まで72球と球数的にも問題なかったビーズリーをスパっと交代。内容的にも続投させたくなる場面だったが「もう球数じゃなかった。初回から飛ばしとったからな。これも今年初めての先発やし、それはしょうがないし、そらもう気合も入っとった。バテるというか、最低5回というのがあったよ」と、想定通りの継投策だったことを明かした。

 5回からは桐敷、石井、ゲラ、岩崎の“勝ちパターン”を惜しみなく投入。「4回に点とったんだけど、これで終わりかなぁという感じだった。だからもう、守り切るしかなかった。今日は」。緊迫した展開のなか、4投手は計4イニングを1安打無四球と危なげない投球を見せ、指揮官の期待に応えてみせた。

 チームの最大連敗は引き分けを挟んだ4月13日中日戦の「3」で、5月は2連敗以上がない。3位・広島まで1.5ゲーム差と混戦模様だが、大崩れしない岡田阪神が球団史上初の連覇に向け歩みを止めることはない。(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)