2005年に発売された『マリオカートDS』は既にオンライン対戦サービスも終了し、今更遊んでいる人はいるのか……そう思われる方も多いかと思いますが、このゲームを今でも熱心にプレイしているコミュニティが存在します。それがRTA(リアルタイムアタック)に挑む、熱心なゲーマーたちです。

「TASにしか不可能」と思われていたショートカットが人間の手で実現
今回『マリオカートDS』に情熱を燃やすRTA走者たちの間で話題になったのは、ステージ「ワルイージピンボール」に挑んだiMathII氏の投稿動画。動画の35秒目あたりで1周目の大ジャンプ台で大きく飛び上がった後にコース枠にぶつかり再び大ジャンプ、一気にコース終盤のバンパー地帯まで大きくショートカットし、ラップタイム32秒069という驚愕のタイムを叩き出しました。

このショートカットは以前よりTAS(ツール・アシステッド・ラン:外部ツール使用によるゲームプレイ)コミュニティでは存在が確認されていたものの、人間の手による実際の操作では不可能とされていたものです。しかしながら今回、iMathII氏の投稿動画によって、このショートカットが人間にも可能であることが証明されたのです。(実際、この動画でもコースの2周目・3周目ではショートカットに挑むのに失敗しており、このテクニックがいかに難しいかを示唆しています)

発売から19年目にして新たなテクニックが人間の手で可能となった『マリオカートDS』。TASコミュニティで同作のスピードランに挑戦しているMKDasher氏からはショートカットを実践したiMathII氏に賞賛が贈られると同時に、「他のコースでも同様のショートカットが可能」という指摘がなされています。『マリオカートDS』の限界を目指す人類の戦いは、まだしばらくは続きそうです。