2024年4月26日にアクワイアよりPC(Steam)/PS5/ニンテンドースイッチで発売が予定されている、『剣と魔法と学園モノ。Anniversary Edition』『剣と魔法と学園モノ。2G Remaster Edition』。弊誌では発売に先んじて同タイトルをプレイする機会を得ましたので、一足早いプレイレポートをお届けします。なお、今回のプレイレポートで使用したのはPC(Steam)版となります。

今回の記事執筆にあたり、アクワイアよりSteamの先行プレイ用コードを頂いています。

『剣と魔法と学園モノ。』シリーズとは
『ととモノ。』の愛称で知られる『剣と魔法と学園モノ。』シリーズは、2008年よりアクワイアが展開しているRPGシリーズです。シリーズ第1作『剣と魔法と学園モノ。』は2008年にPSPで発売され、かわいらしいキャラクターイラストやキャラクターロストも存在する硬派な難易度が話題となりました。翌年2009年には早くも続編となる『2』がPSPで発売。さらに数を増したかわいいキャラクターイラストと、さらに殺意の増した凶悪な難易度を誇りました。2010年には凶悪過ぎた部分を改善し、シナリオがフルボイスとなった『2G』がPS3で発売されています。

今回のプレイレポートでは、この第1作をリマスター化した『剣と魔法と学園モノ。Anniversary Edition』と、『2G』をリマスター化した『剣と魔法と学園モノ。2G Remaster Edition』を扱います。

なお、シリーズのその後に触れると、2010年にはPSP/PS3で『3』が発売。職業システムの見直しなど、以降、シリーズは他のDRPGからの独自性を強めていきます。2011年にDRPGとしての集大成となる『3D(3DS)/Final(PSP)』が3DSとPSPでそれぞれ発売されました。

2012年にはグリッドベースの3Dダンジョンを廃し、探索型のRPGとして生まれ変わった新シリーズ『新・剣と魔法と学園モノ。刻の学園』がPSPで、2022年にはRTS(リアルタイムストラテジー)となった『剣と魔法と学園クエスト。』がPC(Steam)/PS4/ニンテンドースイッチで発売されており、その他漫画やライトノベルなど、メディアミックスも果たしているシリーズです。

姿を変える迷宮を切り拓け!『剣と魔法と学園モノ。Anniversary Edition』
『剣と魔法と学園モノ。Anniversary Edition』(以下、『1AE』)はシリーズ第1作をリマスター化したもの。2018年にニンテンドースイッチ向けに配信されたタイトルが、今回PC(Steam)/PS5向けにさらなる改良を加えてリリースされます。

各地にお宝が眠るといわれる地下迷宮が存在し、お宝を求める「冒険者」が職業として確立、そしてその「冒険者」を育成するための「冒険者育成学園」も各地に点在する世界が『ととモノ。』シリーズの舞台です。プレイヤーは新興の冒険者育成学園「パルタクス学園」の新入生を作成してパーティを編成、各地の迷宮を探索していきます。

キャラクターメイキング(入学)は全10種の種族を選んで能力値にボーナスポイントを割り振り、善・中立・悪の性格から1つを選択し、全15種の学科(職業)を選択する、伝統的な3DダンジョンRPGを踏襲した方式です。性格や種族はパーティメンバー間の相性に関係し、メンバー間の相性が悪いとキャラクターの能力値が充分に発揮できません。特に、善と悪のメンバーの混成パーティは避けた方が無難です。

キャラクターメイキング画面に入り直すことで、伝統的なDRPGではお約束のボーナスポイントのリセマラももちろんできます。40ポイント以上のボーナスポイントを出すことで解放される実績もあるので、こだわる人は徹底的に粘ってみましょう(20ポイント以上はなかなか出ませんが……)。

一部の学科(職業)には必要能力値や性格制限が課されていますが、特に必要能力値の方は現状、ゲーム内で確認する方法がありません。ゲームタイトルで検索すれば必要能力値を一覧にした攻略サイトが出てくるので、そちらとにらめっこしながら理想のパーティ編成を考えるのも一興です。

新入生を入学させ、6人パーティを編成したら学園を一通り見回ってみましょう。学園の「図書室」でクエストを受注し、クエスト依頼人の元へ足を運んでクエストの詳細を聞き、各地の地下迷宮へ足を運んで依頼を達成するのが本作のゲーム進行の主な流れです。

各地の地下道(ダンジョン)には危険がいっぱいで、序盤からダメージ床・テレポートを多用したフロアが出現する可能性があるので、まったくの3Dダンジョン初心者にはやや厳しいものがあるかもしれません。学園の「購買部」や、ダンジョン間の中継点では隣接する地下道の「地図」を売っており、これを購入すると対象のダンジョンのオートマッピングが見られるようになります。使用後にごく稀ながら消滅することがあるので、複数購入しておくのが望ましいでしょう。

本作のダンジョンは入場時に構成がシャッフルされ、毎回異なる構造になるのが特徴です。但し各種ローグライクゲームのような完全にランダムのダンジョン……という訳ではなく、決まった構造のフロアがランダムに呼び出される……という形式です。各フロアは点対称の構造をしていて、左右の出入り口が次のフロアへ繋がるようになっています。

また、各フロアのどこかにある「マジックキー」を解放することで、出入り口間のショートカットが使用可能に。こうして各フロアを探索してショートカットを解放していくことで、以降のダンジョン探索は格段に楽になります。

どうしても「ランダム構造のダンジョンは嫌だ!」という人向けには、「ダンジョン内に1人でも待機メンバーがいるとダンジョンの構造が固定化される」という裏技があります。キャラクターは100人まで作れるので、各ダンジョンに人柱を1人置いても充分な余裕です。また、ゲーム内の要所要所でこのようなTipsが表示されるようになったのは『1AE』の地味な改善点の1つでしょう。

また、ゲーム中盤で訪れることとなる「マシュレニア学府」に各地のボスモンスターとの再戦ができる「闘技場」が追加されたのも『1AE』での大きな変更点の1つです。

本作では戦闘では決定ボタン+スティック下入力で通常攻撃連打の自動コマンド決定ができ、なおかつR1ボタンで戦闘の高速化もできるため、闘技場で1ターンで倒せるボスを選んで超高速なパワーレベリングができます。また本作のボス敵は最上位クラスの素材アイテムをドロップすることも多く、うまく使えば錬金素材には困らないほか、素材を売却してそのお金をパルタクスの保健室で募金することで経験値にも変換できるので、魔法系学科に転科して素材を売ったお金でメンバーに一通り呪文を覚えさせる……ということも容易にできます。

また、『1AE』では冒険の中盤で訪れることになる「ランツレート学院」に「更衣室」が追加されており、『3』までに登場した学校の制服やNPCの姿にキャラクターを着替えさせることができます。選んだ衣装によって能力値に補正がかかるので、キャラクターの性能をより特化する、あるいは気に入った衣装があるのであれば、「更衣室」を利用してみても良いでしょう。

スイッチ版からのさらなる強化も!
今回発売されるPC(Steam)/PS5向け『1AE』の新要素として、オートマッピング表示後、移動したい地点を選んでのオートパイロット機能が実装されています。これは他のフロアまで移動先に指定できる優れモノで、一度踏破したフロアであればダンジョンを一気に駆け抜けられます。回転床トラップも自動で回避してくれるのですが、何故かダークゾーンを挟むと機能しなくなる、『1AE』ではエネミーポイントがルート上にあるとその直前でオートパイロットが自動停止するといった点にはご注意を。

同様にPC(Steam)/PS5向け『1AE』の新要素で、「マプル(魔術師呪文Lv1、一定時間、地図のないダンジョンでもオートマッピングを開けるようにする)」を使うと探索画面にもミニ全体マップが表示されるという機能も追加されています。現在位置や未踏破領域が一目でわかるので、どうしても迷子になってしまうという人やマップ埋め作業をしたい人には便利です。

PC(Steam)向け『1AE』の設定項目として、FPSやアンチエイリアス設定も可能になっています。60fpsに設定すると見た目が滑らかになり、プレイ感覚が向上します。

何はともあれ、序盤のとっつき辛さこそあれど、レベルアップやレアアイテムのドロップによってキャラクターが強化され、少しずつ探索領域が広がっていくのが楽しい本作。本作から『ととモノ。』シリーズに入門してみようという方向けに、先輩の冒険者となる筆者からいくつかアドバイスを挙げておきます。

後衛からも武器攻撃できると何かと便利。「ぱちんこ」「ぱちんこの弾」は後衛人数分だけ作って装備させて損はありません。普通の武器では1ダメージしか与えられない霊・精霊に対しての倍打付与を錬金で行っておけばなお万全です。
錬金で光・闇属性を武器に付与するデメリット?ないよ。本シリーズでは光・闇属性の攻撃を軽減する手段はないので、とりあえず光・闇属性を錬金で武器に付与しておけばお手軽に与ダメージの増加が狙えます。それ以外の属性の武器への付与は相手の属性によってダメージ軽減の可能性、そして防具への属性付与は相手の属性によって被ダメージが増える可能性があるので、特定の属性のボス敵を狩る場合でもなければ付与の必要性は薄いです。
キャラクター間の相性が悪くても、「合体技」を撃ち続けていれば相性は上昇していきます。相性が上がると能力値補正が上昇するうえデメリットは一切ないので、合体技ゲージは満タンにならないよう使っていきましょう。
ダンジョン内ではごく稀にその時点の進行度では対抗が難しい強敵が現れることがあります。特別な表示や演出はないので、異様にレベルが低い見慣れない敵が紛れていたら注意しましょう。確実に敵の行動前に逃げられる合体技の「激走大逃亡」が使えるだけの合体技ゲージ(10)は常に確保しておいた方が良いかもしれません。
本作ではどこでもセーブができるので、とにかくセーブ。不慮の事故はいつ起こるのかわかりません。ある程度ゲームが進んだらとにかくセーブ。(大事な事なので2回言いました)

今遊ぶとさすがに古さは感じるものの、伝統的なハックアンドスラッシュ系ゲームとしての面白さは『1AE』には健在です。この記事が本作の魅力を伝える一助になれば幸いです。

「ふんどし!」(日本語訳:「ブルマ」「切れたブルマ」はちゃんとドロップするしブルマ2個合成の「ふんどし」はクリアまで十分に通用する装備なので安心していいよ!)

<cms-pagelink data-text="次のページでは、全機種新登場『2G Remaster Edition』のプレイレポートをお届け!" data-page="2" data-class="center"></cms-pagelink>

新たなる学園生活と容赦のない迷宮へ挑め!『剣と魔法と学園モノ。2G Remaster Edition』
『剣と魔法と学園モノ。2G Remaster Edition』(以下、『2GRE』)は2010年にPS3向けに発売された第2作の改良版『2G』のリマスターで、こちらはPC(Steam)/PS5/ニンテンドースイッチ3機種同日にリリースされます。

ゲームを開始して驚かされるのは、全NPCがフルボイスで喋ることです。プレイヤーキャラクターのかけ声やダメージボイスしかなかった前作と違い、本作『2GRE』では末端のNPCに至るまでイベントシーンはフルボイスで展開されます。DRPGでこうした作品は2024年現在に至っても珍しく、また声優ユニット「スフィア」の歌に合わせたとにかく明るいオープニングムービーも、当時のDRPGとしては異例です。

しかしながら、本作の骨子が伝統的なDRPGを踏襲していることには前作『1AE』ともども変わりはありません。キャラクターメイキングでは全10種の種族を選んで能力値にボーナスポイントを割り振り、善・中立・悪の性格を選択して学科を選択する、種族や性格の相性によってキャラクターの能力値に補正が付くといった点も前作と同様です。

ただし、本作では「学科の選択が種族によって固定になった」「キャラクターメイキング時点では基本学科にしか就くことができない」という点が前作と明確に異なっています。種族「ヒューマン」であれば、基本学科すべてに就くことができますが、「エルフ」であれば選択肢は半分近くです。魔法系学科が得意なはずの種族「ノーム」に至っては、就ける基本魔法系学科が使い道の難しい「アイドル」しかないという序盤での不遇具合……。

これらの条件を加味して、パーティ編成を考えましょう。本作も前作同様、学科の必要能力値はゲーム内では確認できません。やはりこのあたりは攻略サイトとにらめっこすることになるでしょう。

また、本作ではヒーラー専門職が存在しません。代わりに学科「魔法使い」は攻撃魔法も回復魔法も習得するうえ、魔法の習得が遅いなどの、このジャンルにありがちなマイナス点もありません。パーティに2人以上魔法使いを加えておくと何かと便利です。

なお、学科「普通科」は全てのアイテムが装備でき、呪文も習得していく……と万能そうに見えますが、実際には呪文の習得速度が遅くパラメーターもほとんど伸びない(ただし、Lv90以降は一気にパラメーターが伸びる)という、大器晩成型の職業です。キャラクターメイキングでよほどの高ボーナスを出した状況でもない限り、ゲーム開始時からパーティに参入させることはおススメできません。余談ながら、本作は前作に比べ高ボーナスポイントが出やすく、また関連した実績の条件も「ボーナスポイント30以上」に緩和されています(それでもなかなか出ませんが……)

こうして作成した6人の新入生でパーティを編成し、学園の図書室でクエストを受けてダンジョンに向かう……というゲーム進行の流れも前作を踏襲していますが、前作と大きく異なるのはシャッフルダンジョンの仕組みが廃止され、全てのダンジョンが固定の構造となったことです。またダンジョンの舞台も地下だけでなく野外が追加され、「初めの森」のように見た目が明るいダンジョンも登場します。

隣り合わせの死と冒険…よりハードコアになったバランスに立ち向かえ!
しかし、担任教師である「ダンテ先生」から警告される通り「冒険と死は隣り合わせ」です。最序盤から本作の戦闘の難易度は容赦がありません。最序盤の「初めの森」の時点で、一撃で序盤のプレイヤーキャラクターのHPの大半を持っていくことがある上、こちらの攻撃で与えるダメージは雀の涙……となるようなモンスターが複数体登場するケースがあります。

ゲーム開始時にプレイヤーキャラクターは貧弱な「ダガー」しか装備していないので、序盤のクエストで渡される資金1000Gで前衛の武器を買い替えるとよいでしょう。また、パーティに魔法攻撃要員がいるなら、攻撃魔法を決して出し惜しみしないようにしましょう。

ダンジョンのギミックの難易度についても同様で、「初めの森」こそ素直な作りですが、2〜3番目に探索するであろうことになるダンジョン「魔女の森」からは、まだ序盤でありながら飛躍的に難しくなります。第1フロアから複数のワープが登場する上、全10フロアの繋がりも複雑。ダメージ床と回転床・ダメージ壁が多数配置されたフロアもあり、浅層から探索は難しいものになります。

加えて言うと、「魔女の森」は複数の拠点を繋ぐハブになっていて、ゲーム中何度も往復することになりますが、本作のダンジョンには前作であったようなショートカットを開通するような要素はないため、(後述するオートパイロットこそあるものの)毎回複雑な部分を通るハメになります。

そしてこの辺りのダンジョンから、敵の編成に強敵が混じるようになります。前作にもごく稀に敵編成に強敵が混じるケースはあったのですが、本作ではフロアによってはそのような敵が頻繁に出てくることがあります。

「魔女の森」で言えば「べろべろばー」がそういった敵の筆頭で、ふざけた名前を見て油断して挑むとパーティが即半壊します。モンスター図鑑には「戦いやすい」と書かれていますが、同じジャンルの他作品、どこぞの世界樹にある迷宮で言われる「攻撃力はさほどでもない」と同じくとんでもない騙し討ちです。

本作では敵編成を見て危険な敵かそうでないかを見極めることが本当に重要になります。ありがたいかはともかく「ふざけた名前のヤツらはだいたい強敵」というセオリーが当てはまるので、そういった敵を見たら即、合体技「激走大逃亡」で逃げてしまうとよいでしょう。

序盤から歯ごたえのあるダンジョンを抜けて「パニーニ学院」「ブルスケッタ学院」にたどり着くと、各種族ごとの上級職に転科が可能になります。パニーニでは戦士系、ブルスケッタでは魔法系学科の上級職への転科ができます。先述した不遇のノームはここまで来てようやくまともな魔法系学科である「錬金術師」へ転科できるので、今までの鬱憤を晴らしましょう(PSP『2』では錬金術師もほとんど魔法を覚えない学科でしたが、PS3『2G』の時点で大多数の魔法を覚える学科へと変更されています)。

中盤からは足元に気をつけて!どんな強者も地獄行きの凶悪トラップに立ち向かうには……?
上級学科への転科が可能となり、敵の強さにも慣れてきたころに本作の中で最も注意が必要なトラップ的なギミック「アンチスペルゾーン+ディープゾーン」が登場します。2つの仕組みが組み合わさったこのギミック、ひとつひとつは危険度も低いのですが、組み合わさるとゲームルール上の処理と相まって本当に凶悪な効果を発揮するため、本プレイレポでもご紹介しておきます。

この仕組みを構成するもののひとつ、「ディープゾーン(深瀬)」は通常は通行できず、浮遊魔法「フロトル」を使うことで通行可能になるだけのタイルです。このジャンルでは似たような仕組みは珍しくもなく可愛いものですね。

もうひとつの仕組みは、現在かかっている魔法を解除し魔法の使用も不可能になる「アンチスペルゾーン」。この2つが組み合わさった場合何が起こるのでしょうか。その答えは……。

魔法による浮遊が解除
通常進行可能でないディープゾーンにいる
浮遊していないキャラクターは即死

……本当に極悪ですね。実のところ、この組み合わせのギミック自体は前作から登場していますが、前作ではクリア後に行けるフロアのみに配置されていたのに対し、本作は中盤から容赦なく登場します。ただし、対抗手段がないわけではありません。

ノーム・フェアリーといった浮遊パッシブを持つ種族
「タケウマ」「天使のカフス」といった浮遊パッシブを得ることができる装備

いずれかで浮遊のパッシブ能力さえ得られれば「魔法」ではないので回避可能です。言い換えれば、本作においては中盤以降、ノーム・フェアリーといった浮遊パッシブを持つ種族以外のキャラクターは装備で浮遊パッシブを持つことがなかば必須となります。とはいえ、前述した浮遊パッシブを得ることができる装備は、ギミックが登場する時点で各地の購買所から複数手に入るはずなので、落ち着いて人数分を用意しましょう。

なおPSP『2』にあった「帰還・テレポートアイテムを持っていないとハマる」場所や、「踏み込むと石の中にいる判定を受け、問答無用で全滅する」場所はPS3『2G』の時点で修正済みです。

こういったポイントだけならばハードコア向けと言うだけのゲームですが、そこを乗り越えると大きく違う面を見せるのが『2G』の魅力です。術師系学科は魔法「ラグナロク(3つのランダム選択候補から1つの強力な効果を選択できる魔法、MP回復効果も含まれるので永久機関が可能)」によって残りMPを気にせずガンガン魔法を放てるようになり、戦士系学科は時折ドロップする強力な装備でキャラクターの強化を実感できる……と、まさしく「ハックアンドスラッシュ」を体現したゲーム性へと変わります。本来ならば強敵になりえるだろうパラメータの敵でさえ装備の強化や強力な魔法の連打で一方的に蹴散らすことができるようになるのは爽快です。

新機能がハードコアなレベルデザインのかゆいところに良く効いて
なお、今回のリマスター『2GRE』では『1AE』における「闘技場」のような、ゲーム性を一変させるような新規システムこそ導入されていませんが、PC/PS5版『1AE』と同様に魔法「マプル」使用時の画面上のミニ全体マップや、複数フロアを隔てても利用可能なオートパイロット機能が実装されています。同一マップの往復や、回転床トラップの多い本作では、往復の手間を大きく軽減し回転床トラップも自動回避してくれる、この新機能は本当に有用です(『1AE』ではルート上にエネミーポイントがあるとオートパイロットは中断されましたが、『2GRE』では中断されることなく戦闘を挟んで継続します)。また、未踏破領域を発見しやすいミニ全体マップはマップ埋めに役に立ちます。いずれの新機能も複雑なダンジョン構造の多い本作では嬉しいところでしょう。

何はともあれ、本作の笑いあり・シリアスありの学園生活は声優フルボイスの熱演もあって、『1AE』よりパワーアップを果たしています。序盤から中盤にかけては、ややハードコア方面のゲームバランスが目立っていますが、それを乗り越えさえすればハックアンドスラッシュゲームとしても充分に楽しめる1作です。

最後に重要なことを述べると、本作ではどこでもセーブができるので、とにかくセーブ。不慮の事故はいつ起こるのかわかりません。ある程度ゲームが進んだらとにかくセーブ。(大事な事なので『2GRE』の項でも言いました)

スパくんのひとこと


『1AE』『2GRE』どちらも序盤のとっつき辛さはあるけれど、ハックアンドスラッシュを堪能できるDRPG!ここまで来たからには、キルシュトルテちゃんが登場する『3』や、シリーズ集大成でザッハトルテちゃんもいる『3D/Final』のリマスターも遊んでみたいスパ!




タイトル:剣と魔法と学園モノ。Anniversary Edition
対応機種:PC(Steam)/PS5/ニンテンドースイッチ(スイッチ版のみ配信済み)
記事におけるプレイ機種:PC(Steam)
発売日:2024年4月26日
著者プレイ時間:20時間(エンディングまで到達)
サブスク配信有無:無
価格:2,980円(税込)
※ニンテンドースイッチ版のみ2,480円(税込)



タイトル:剣と魔法と学園モノ。2G Remaster Edition
対応機種:PC(Steam)/PS5/ニンテンドースイッチ
記事におけるプレイ機種:PC(Steam)
発売日:2024年4月26日
著者プレイ時間:25時間(エンディングまで到達)
サブスク配信有無:無
価格:2,980円(税込)
※製品情報は記事執筆時点のもの


※UPDATE(2024/4/24 19:36):『1AE』の価格を修正しました。正しくはニンテンドースイッチ版のみ2,480円となります。