◇米国女子メジャー◇シェブロン選手権 事前(16日)◇ザ・クラブ at カールトンウッズ(テキサス州)◇6889yd(パー72)

世界ランキング1位のネリー・コルダが出場5試合連続優勝をかけて今季メジャー初戦に挑む。2週前の「Tモバイル マッチプレー presented by MGM Rewards」を制して16年ぶり4連勝の勢いを見せ、ナンシー・ロペス、アニカ・ソレンスタム(スウェーデン)に続く史上3人目の記録に王手をかけた。

大会前のオープンウィークは休養を優先した。54ホールのストロークプレー後に2日間かけてマッチプレーに臨んだ体は想像以上に疲れていたという。「あんなに疲れたことはないぐらい疲れていて。ベッドで起き上がろうとしたけどできなかったり」と振り返った。

「『もっと練習したい』、『もっとうまくなりたい』と思うからこそ、早寝早起きを心掛けてたくさん寝るように。それが回復の一番のポイント」と万全な状態に戻してきた。

ここ数週間の連勝記録にも余裕を見せることはない。2018年に初優勝して以来、19年に2勝、21年は5勝を挙げた。しかし、22年は1勝にとどまり、23年は優勝できずに「スポーツには浮き沈みがある」ことを学んできた。「負けたことで自分自身のことを多く学ぶことができたとも思う。22年、23年のゴルフは本当に私を謙虚にさせた」

何より、世界ランク1位の心に響いたのはゴルフの祭典「マスターズ」で優勝した男子世界ランク1位のスコッティ・シェフラーの活躍だった。

「彼のことを悪く言う人はいないよね。彼のモラルや態度も好きだし、何より仕事に対する姿勢が大好き」と27歳をたたえ、「彼が言うように、ティショットを打つ全てのトーナメントで勝ちたい。それはここで戦う女子ゴルファーも一緒で、ただ自分の仕事をこなすだけ」と目の前の一打に集中する。

「記事に惑わされたり、期待に狂わされたりすることもあるけど、本来の自分を貫けば自分のバブルの中で生きることはできるし、もっと楽しめると思う」。5連勝への挑戦は“重荷”ではなく「インスプレーション」(ひらめき)になると強調する。

「毎週、毎週競い合って、練習することがどれだけ楽しいのかを見せたいし、そこにもっと注目してほしい。もちろん、私への視線は多くなったかもしれないけど、この瞬間が長くないことも知っている。だから、みんなが“私”という人間を見て、彼らの刺激になってくれれば」と泰然自若の風格を漂わせた。(テキサス州ザ・ウッドランズ/石井操)