国内女子ツアー開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」が2月29日から4日間の日程で開催される。みんなのゴルフダイジェスト特派記者でプロゴルファーの中村修が注目するのは今季から米女子ツアーに参戦する西郷真央。その最新スウィングを解説していこう。

一昨年の覇者である西郷選手ですが、昨年は「HSBC女子世界選手権」に出場のため不参加。2年ぶりの国内開幕戦に元気な姿を見せてくれました。米女子ツアーへは今大会終了後に向かうようです。

西郷選手のSNSではオフのトレーニングの様子がアップされていましたが、かなり重いウェイトを使ったトレーニングを重ねてきたようで、その効果がスウィングに表れています。それではじっくりと見てみましょう。

アドレスでの下半身のどっしりした安定感、適度に締まった両わきからテークバックの初期に背中がターゲットを向いていきます。手元を胸の前にキープしながら胸と腕が無駄な動きなく、連動しています(画像A)。

深い捻転のトップから切り返しを見ても下半身がブレる様子は一切感じられず、下半身の強化がスウィングの安定につながっていることが見てとれます。左に踏み込んで下半身のリードで回転力を作り、上半身と下半身の捻転差が作られ大きなエネルギーを体幹、腕、クラブへと効率よく伝達されています。

左の手首の向きに注目してみると、左腕から手の甲までがフラットになっていて左わきが締まりインパクトに向けて左腕が回外(外側に回す)しています。この左腕の使い方はしっかりとボールをつかまえ左ひじが抜けずに大きなフォローへと導く大切な動きになります(画像B)。

インパクトでは左腕の回外に伴ってフェースがスクエアに戻り、お腹がターゲットを向くくらいの回転力をしっかりとボールに伝えています。フォローでも体の軸もブレずに余程のトレーニングを積んできた成果が表れています。日本のコースとは違い、移動や気候、芝の違いなどタフなシーズンを見据えて、しっかりと体力の向上を準備してきたことがドライバーショットから伝わってきました。

プロアマ大会後の会見では、「昨シーズンは毎週月曜日のトレーニングを続けてきたことでケガのないシーズンを過ごせました。オフには週2回に増やしたことで飛距離も平均で5ヤードくらいは伸びています」とトレーニングの成果を話しました。

昨年持ち球をフェードからドローに変え復活優勝を挙げ、米女子ツアーの予選会も突破した西郷選手。そのプレーを日本で見る機会は少なくなると思います。今大会では大いに注目していきましょう。