2024年が幕を開けた。今年のプロゴルフ界ではどんなドラマが生まれるのか? 2024年の海外男子ツアーの展望を、みんなのゴルフダイジェスト編集部員でプロゴルファーの中村修に語ってもらった。

PGAツアーは久常と松山、2人の日本人選手に注目!

まず注目なのは、DPワールドツアー(欧州ツアー)からPGAツアー参戦のチケットを獲得した21歳の久常涼がどんな戦いを見せてくれるかですね。

久常選手は元々海外志向が強く高校卒業後に渡米し大学のゴルフ部に入部する予定がコロナ禍で白紙に。20年にプロ転向し、ABEMAツアーからレギュラーツアーへと昇格すると、22年のDPワールドツアーのQTを突破し23年にはフランスオープンで初優勝を挙げ最優秀新人賞を獲得しています。

コンパクトなトップからブチかますようなドライバーショットにピンを攻めるアイアンショット。個性もあってとっても楽しみな選手です。

そしてメジャー2勝目を狙う松山英樹も要注目です。21年のマスターズに続いてZOZOチャンピオンシップ優勝、22年にはソニーオープンで8勝目を飾り日本人プレーヤーとして歴史を刻み続けています。

23年は思ったような成績が出せなかったシーズンになりましたが、それでもフェデックスカップランク50位で終えたことで、今季の賞金総額2000万ドル級のビッグイベント「シグニチャーイベント」への出場権をゲットしています。

8試合開催されるシグニチャーイベントは、高額賞金と参加人数も70〜80名とエリートだけが出場できるフィールドですが、4大メジャーを含めた12試合で上位フィニッシュを狙っていくことになるでしょう。

「ZOZOチャンピオンシップ」の水曜日の夕方にヘッドスピード57m/sくらいのスピードでドライバーを何十球も打つ姿に、さらなる進化を求めてトレーニングを含めて常に新たな取り組みをしていると感じました。松山選手の新シーズンに引き続き注目していきましょう。

世界ランキングに目を移すと、スコッティ・シェフラー、ローリー・マキロイ、ビクトール・ホブラン、ザンダー・シャウフェレ、コリン・モリカワなどのスター選手が今季もツアーをけん引する存在になることは間違いないです。

一方でミンウー・リー、サティス・ティーガラなど実力をつけ結果を残す若手も表れています。特にミンジー・リーの弟であるミンウー・リーは「ZOZOチャンピオンシップ」でも見ましたがアグレッシブなスウィングとプレーで魅力あるゴルフを見せてくれそうです。

タイガーの復帰戦は2月の「ジェネシス招待」の見込み

そしてタイガー・ウッズの動向も気になるところです。

直近で出場した「ヒーローワールドチャレンジ」や、息子のチャーリー君とタッグを組んだ「PNC選手権」でのプレーを見る限り、右足の具合はだいぶ良くなってるように見えますし、実際に飛距離も戻ってきています。

次戦として、自身がホストを務める2月のジェネシス招待に焦点を当てていると会見で語っていたタイガー。同大会は現地へ見に行く予定なので、そこでどんなプレーを見せてくれるのか、今から非常に楽しみです。

LIVゴルフに欧州男子ツアー……他ツアーにも日本勢が続々進出

PGAツアーとLIVゴルフの動向にも注目しています。年末にジョン・ラームがLIVに移籍したことが大きなニュースになりましたが、このままトッププレーヤーの流出が続くとPGAツアーがLIV選手への出場を認めるも可能性も出てきます。今年は両者の共存共栄の道を探る年になると予想します。

また、LIVゴルフと言えば日本の香妻陣一朗が来季の出場権を獲得したことも大きなニュースです。世界の舞台で戦うための新たなルートがまた一つ開拓された感じがしますね。

香妻選手もそうですが、他にも日本勢の海外進出が加速しています。中島啓太はPGAツアーのQTで上位に入れず残念ながら出場権を得られませんでしたが日本ツアー賞金王の資格でDPワールドツアーには出場できます。同じく、金谷拓実、蟬川泰果も出場権を得ていますので、参戦中の星野陸也とともに大暴れして欲しいところですね。