ゴルフの上達を目指すゴルファーにとって役立つ情報を発信する「みんゴル・ゴルファー応援隊」。その隊長に就任したシングルプレーヤー・マツケンが上達のヒントになることを紹介。今回は、「スライスラインのパッティング」がテーマです。

スライスラインはラッキーで入る確率が非常に少ない

今回はパッティングのお話です。皆さんはフックラインとスライスライン、どちらが得意ですか?「スライスライン」と答えた方は、かなりのパッティング巧者ではないでしょうか? なぜなら物理的にスライスラインよりフックラインのほうがカップインの確率が高いからです。

フックラインの場合、フェースが開いて当たってやや右に出たとしても、結果的にタッチは弱めになるため、曲がりが大きくなってカップに近づいていってくれる可能性があります。逆にフェースがかぶって左に出た時は、転がりが強めになるため、自分のイメージより切れずに入ってくれる可能性が残るのです。

スライスラインの場合、フェースが開いてカップより右に出た時点でカップインの確率はゼロになります。左に強く出てしまったら切れずにカップの左を抜ける確率が高くなります。言ってみればスライスラインは、ラッキーで入る確率がとても少ないラインと言えるのです。

難易度の高いスライスライン、カップインの確率を高める方法を考えていきましょう。カップより右に出てしまった時点で、「アウト!」になるスライスライン。かといってフェースを左に向けて左に打ち出せば良いというわけではありません。

フェースをかぶせて左に向けてしまうと、ボールのロール自体が左に傾いてしまって、右に切れにくくなる上、タッチも強めになりますから、カップの左を抜けるケースが多くなってしまいます。

私が大切にしているのは、どんな短い距離でも「フェースにボールを乗せる」イメージです。パターにも多かれ少なかれロフトがあります。標準的なパターでは3〜4度程度でしょうか。ロフトが6〜7°のハイロフトパターというのも販売されていますが、こうしたロフトをしっかり活かすのがスライスライン克服の肝と言えます。

パッティングで、フェースに乗るといってもイメージしにくいかも知れませんが、自宅の絨毯の上などで、ミドルアイアンやユーティリティー、もしくはチッパーなど20°以上ロフトのあるクラブでパッティングをしてみて下さい。

ボールはフェースを離れた直後、空中を飛び、着地してから転がっていくことでしょう。空中を飛ぶ「キャリー」が出たということは、しっかりフェース面にボールがとどまり、「フェースに乗った」状態ということになります。

できたらそのクラブでスライスラインのパッティングを試みて下さい。クラブを少し短く持ち、パターのストロークをします。この時、ハンドファーストに構えないこと。ソールを滑らせるようにそのクラブのロフトなりにインパクトすることがポイントです。

こうしてストロークすると、当然キャリーが出るため、スライス傾斜でもインパクト直後に右サイドに持っていかれることはありません。きっと驚くほど簡単にラインに乗ることを実感出来るかと思います。

そうしたクラブで感じがつかめたら、パターでも同じ感覚でストロークしてみて下さい。

ただし、ロフトの少ないパターでキャリーのイメージを出すには、アドレス時に上から見てフェース面がしっかり見えるように構えること。少し手元を右足寄りにおく、「ハンドレイド」の形になるかと思います。

その構えが出来たら、インパクトでも同じロフトでコンタクトします。これさえしっかり出来れば、スライスラインはだいぶラクになると思います。

ロフトを意識してフェースに乗せるイメージ。スライスラインが苦手という方は一度お試し頂けたらと思います。