これまでにも少し触れたことがあるが、どんどん作動が遅くなるワイパーモーターがついに停止。ワイパーアームを立てて無負荷にすれば動くものの、ガラスは拭いてくれない。車検もこのままでは危ういので、もう新品は出ないワイパーモーター を分解して自力リビルドを敢行。TV系よりも元々作動が遅いので、完成してみても「あーこんなものなのかー」なのだが、ちゃんと雨の中視界が確保できたのは嬉しいぞ。
■ Photo&Text Masahiro Kan
車検のためにもワイパーを完全に作動させたい!
なぜかというと、ワイパーは車検の時に必ずチェックがあるため。作動しないと車検が通らず、そもそも車両を動体維持できなくなってしまうから。
ワイパーモーター自体は単純な構造。回転するモーター軸をウォームギヤで減速し、トルクが上がった回転力で内部にあるアームを蒸気機関車の動輪とコネクティングロッドと同じような方法で「ワイパーアームをプッシュプル」作動させているだけ。
ワイパーゴムがガラス面をしゅう動するのはかなり抵抗があり、またアームでも機械的なロスはあるものの、動かないのはモーターのトルク低下が原因で、モーターの電気接点に問題があることは明白だ。
早速バラして、状況を判断することに。
モーター本体は黒い筒の部分にあり、それがダイキャスト成形されたギヤボックスに連結されている。
まずはモーターをバラすためにネジを2本外し、ゆっくりと黒い部分を抜いていくと、モーターローターごと抜けてくる。途中にブラシ部分が見えてくるが、ローターの整流子(コンミュテーター)より先には広がった部分が何もなかったので、ブラシ部分をうまく通過してローターが抜けてくれた。
モーターは単純なDCブラシモーター。なので、子どもの頃に遊んだモーターと同じ。ハウジングに永久磁石が取り付けられていて、その中をローターにある整流子にブラシが接触して、磁石と引き・反発を繰り返して回転するものだ。
そこで発見したのは3個のカーボンブラシのひとつが欠けていたこと。
通常使用するLoモードのブラシだ。電気接点としては通電効果が落ちる。モーターは通電の瞬間に一番電流が一番流れるのだ。
中古は849100‒5882でスイッチに入る電線部分がフラットな形状になっている。ここが唯一の違い。果たして動くのか。
現状は849100‒5892と末番が違う。これはパーツ番号ではなく、ASMOの品番。たぶん現状の方が改良されたものと判断。
[pit_call name=故障・修理 slug=repair]著者:内外出版/オートメカニック