文と写真●ユニット・コンパス
2024年6月にフルモデルチェンジして登場するホンダ フリードの実車が公開された。新型は価値観が多様化する時代にわせて2つの個性を持つモデルとして進化を遂げた。
日常での使い勝手を重視する「AIR」は3列7人乗りと3列6人乗り
新型のグランドコンセプトは「“smile” just Right Mover」。余裕によって生活に笑顔をもたらすのがねらいだ。
キャラクターは大きく2つに分かれている。まず紹介するのが、従来からのフリードらしさを継承するモデル「AIR」だ。こちらは3列シート7人乗りまたは3列シート6人乗り。
明るくおしゃれな雰囲気のインテリアは傷に強く汚れにくい
デザインはクリーンかつ上質さを感じさせるもので、ボディサイズを従来モデルとほぼ同等としながらも、室内空間にゆとりを感じさせるパッケージングとデザインとなっている。
1列目から3列目までウォークスルー可能なシートアレンジと3列目シートの収納を改良して、荷物をさらに積みやすくしたのがポイント。
また、日常での使い勝手について考えられている。ドライバーズシートは運転の不安を軽減させるアイポイントに設定。さらにAピラーの位置を工夫して車幅を掴みやすくなったという。3列目は、窓を大きくして見晴らしが良くなっている。
使いやすさへのこだわりはインテリアの素材にもおよぶ。おしゃれな雰囲気の明るい素材を採用する一方で、汚れにくく傷が目立ちにくい処理を施している。これによって、たとえ小さな子供が車内を汚してもすぐケアできるため、ストレスなく安心して使えるようになった。
アウトドアイメージを強化した「CROSSTAR」
新型フリードの注目グレードがアウトドアイメージを強化した「CROSSTAR」だ。シートアレンジは3列6人乗りに加えて、2列シート5人乗りが選択可能となっている。2列シートが選べるのは「CROSSTAR」のみ。
機能的でタフな印象を与えるエクステリアデザインを採用。ヘアライン仕上げのアルミルーフレールなど、機能性とデザインを上手に両立。
インテリアのカラーや素材選びもアウトドア用品のようなギア感を意識したものとなっている。
拡張性をもたせたラゲッジルームに注目
開口部高さはコンパクトミニバンクラストップの1255mm。開口部最大幅も1080mmと十分なサイズで、車中泊から大きな荷物まで幅広い使い方に対応する。ホンダならではの超低床フロアを活かした2段収納も見どころとなっている。
テールゲートや荷室のサイドパネルに拡張性を持たせているのも特徴。サイドパネルを収納に使ったり、テールゲートにオプションのユーティリティナットを装着すれば、タープやランタンを吊り下げるポイントとしても活用できる。
ホンダアクセスのデモンストレーションカーはまさに新型フリード CROSSTARの潜在能力を引き出したアレンジで、このままですぐにキャンプに出かけられそうな完成度だった。
まとめ
日常と非日常、2つの異なる個性を用意した新型フリードは、扱いやすいコンパクトなサイズに、ホンダらしいこだわりと技術をぎゅっと凝縮したモデルとなっている。パワートレインには上質で力強い走りを提供するハイブリッド「e:HEV」も採用。進化したHonda SENSINGも採用されることが確定していて、総合的な魅力はかなり高い1台となりそうだ。
著者:グーネットマガジン編集部