『森のバター』ともいわれるほどの濃厚さとクリーミーさで人気のアボカド。そのままサラダに入れても、ペーストにしても楽しめるアボカドですが「せっかく買ってきたのに硬すぎて食べられなかった!」という失敗をした経験がある人もいるのではないでしょうか。

今回は、アボカドの食べ頃と適切な保存方法を解説していきます。硬いアボカドを早めに熟させる裏技もご紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。

アボカドの食べ頃の見分け方

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スーパーでアボカドを売っているのはよく目にするものの、どれが食べ頃なのか見極めるのが難しいと感じたことはありませんか。ほかの食材と比べて見極めが難しいアボカドですが、実は3つのポイントを意識するだけで簡単に食べ頃かどうかをチェックできます。詳しく見ていきましょう。

色と見た目で判断する

アボカドは成熟が進むにつれて色が変わっていく食べ物。全体的に鮮やかな緑色をしている場合は未成熟のアボカドのことが多いです。見た目もハリがあるので新鮮な印象を持ちますが、まだこの状態では実が固く、食べるのに適しているとはいい難いでしょう。

数日放置していくと、全体的に緑色が深くなり、濃い緑色の斑点が現れてきます。この状態になるとある程度成熟が進んでいるので食べることはできますが、アボカドの柔らかくて濃厚な味わいを楽しみたいなら、あと少し我慢が必要です。

好みにもよりますが、一般的には完熟した状態がもっともおいしく食べられるといわれています。完熟した状態というのは皮が黒く変色し、全体的にしわが寄っている状態です。この状態になるとしっかり熟されていてクリーミーな味わいを楽しめます。

触感で判断する

アボカドの食べ頃を見極めるコツの2つ目は、触感です。成熟したアボカドの場合、皮を軽く押してみると指が沈み込むような柔らかさを感じられます。この状態のアボカドであれば食べ頃をむかえているのでおいしく食べられるでしょう。

反対に、皮を押した時に固くハリを感じる場合は、まだそのアボカドは熟しきっていないということです。未熟のアボカドは食べるには硬すぎることが多いので食べるのには適していません。

ヘタの部分で判断する

アボカドの食べ頃は、ヘタの部分でも見極められるのを知っていますか。アボカドは熟すにつれて果肉から水分が奪われていくので、それに伴いヘタも沈んでいきます。その結果、実とヘタの部分にすき間ができ、ヘタが取れやすくなるのです。

ヘタの部分を少し触った時に簡単に取れるアボカドであれば、食べ頃といえるでしょう。

アボカドを購入する際の選び方のポイント

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アボカドは成熟していく食べ物なので、用途にもよりますが、購入してから2〜3日後に食べ頃をむかえるような新鮮なものを購入すると、調理にも使用しやすい上に、保存もきくのでおすすめです。詳しくポイントを見ていきましょう。

ヘタと皮の間にすき間がないアボカドを選ぶ

アボカドは熟成が進むにつれて果肉に含まれる水分が失われていきます。そのため、最終的にはシワシワの状態になり、ヘタと皮の間にすき間ができるのです。

これから熟し始める新鮮なアボカドを購入したい場合は、ヘタと皮の間にすき間がなくピッタリ密着しているアボカドを選ぶといいでしょう。

皮が深緑色のアボカドを選ぶ

アボカドの皮の色は最初は鮮やかな緑色ですが、完全に熟すと黒色へと変化していきます。つまり、2〜3日後に食べ頃をむかえるようなアボカドを選びたい場合は、この中間に位置する皮が深緑色のアボカドを選んだほうがいいです。

ヘタ周辺が硬いアボカドを選ぶ

ヘタ周辺が硬いのは、これから熟されていくサインです。アボカドを購入する際に軽くヘタの部分に触れてみて、ヘタ周辺がふにゃふにゃと柔らかい場合、そのアボカドは成熟が進んでいるか、最悪の場合ヘタ周辺が腐っている可能性があります。

また、ヘタが取れているものや、もうすぐヘタが取れそうなくらいぐらついている場合は、すでに食べ頃をむかえているという証拠です。2〜3日後に食べ頃をむかえるアボカドを購入したい場合は、ヘタ周辺が硬いものを選びましょう。

アボカドのおすすめの保存方法

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お店では常温で売られていることが多いアボカドですが、アボカドの成熟状況などでその保存方法は異なります。ここからはアボカドの保存方法をご紹介するので参考にしてみてください。

食べ頃の場合:冷蔵保存

購入した時点で食べ頃をむかえているアボカドの場合は、常温で保存してしまうとさらに追熟が進んでしまうため、追熟を止めるためにも冷蔵保存をおすすめします。

なお、アボカドを冷蔵保存した場合は、4〜5日程度を目安に食べきるのがいいとされています。温度が5℃以下になる冷蔵庫ではアボカドの風味が落ちていくからです。

冷蔵保存をする際は、アボカドが乾燥しないように袋に入れ、風味が落ちる前に食べきるようにしましょう。

熟していない場合:常温保存

鮮やかな緑色をした未熟なアボカドの場合は、常温で3〜5日程度保存しておくと食べ頃をむかえます。適温はおよそ15℃〜20℃くらいといわれていますが、あくまでも目安なので、適宜、皮やヘタの状態を見てチェックしてください。

ここで1つ裏技を。常温保存する際に、リンゴをアボカドと同じ袋に入れた上で密閉すると、リンゴから放出されるエチレンガスの効果で追熟が早まるといわれています。アボカドが熟すのが待ちきれない場合はぜひ試してみてくださいね。

カットした場合:密閉保存

「食べようと思ってカットしたもののまだ硬かった」「カットしたが食べきれなかった」このように、カットしてしまったアボカドは、密閉保存がおすすめです。

ただし、一度空気に触れたことで変色が進んでしまう可能性があるので、密閉保存する前はレモン汁かお酢をアボカドの表面に塗っておくと、変色を防ぎつつ保存することができますよ。

アボカドは冷凍保存もOK

アボカドは冷蔵庫に入れた後は4〜5日程度で食べ切ったほうがいいと前章で触れましたが、実は冷凍保存すると1か月程度、おいしさをキープできます。

カットする前の状態のアボカドであれば、乾燥を防ぐために1つずつラップでくるみ密閉容器へ入れましょう。カットしたアボカドであれば、表面にレモン汁やお酢などを塗った上で密閉し、冷凍庫へ入れるのがおすすめです。

冷凍保存したアボカドを食べる場合は、常温で自然解凍させても問題ないですが、風味が落ちてしまう可能性があるので、解凍する際は冷蔵庫でゆっくり解凍させるほうがおすすめです。

アボカドの食べ頃を見極めよう

スーパーマーケットで見かけてもなかなか知識がないと食べ頃が分かりづらいアボカドですが、見るべきポイントを抑えていたら、自分好みのものを簡単に選べますよ。栄養価も高くいろいろなアレンジができるアボカド。適切に保存しておいしいアボカドを楽しみましょう。


[文・構成/grape編集部]