中尊寺は平泉に拠点を構え独自の文化を築いた奥州藤原氏の初代清衡によって造立された大伽藍。奥州藤原氏が三代で滅びた後、多くの堂宇が失われたが、その中で唯一創建当初の姿を伝えるのが金色堂。「皆金色」と称される金箔を押した堂の内の内陣は、夜光貝の螺鈿細工や象牙、宝石、透かし彫りの金具、漆の蒔絵など、当時の工芸技術の粋が尽くされ、堂全体がひとつの美術品の趣。須弥壇に鎮座する阿弥陀如来像を中心とした黄金の仏さまとともに、戦いで失われた命をはじめ全ての命の極楽往生を願った藤原氏の思いが感じられる。忙しい毎日に粟立つ心を、そっと鎮めてくれる場所だ。

三代にわたり栄華を誇った奥州藤原文化の結実とも言える金色堂。

中尊寺

岩手県西磐井郡平泉町衣関202

0191-46-2211

HP: https://www.chusonji.or.jp