2023年5月、札幌市豊平区の学校外のグラウンドで、札幌新陽高校の女子硬式野球部員が練習の準備中、倒れたバッティングケージの下敷きになり、意識不明の重体になった事故で、北海道警が、7日、野球部の女性監督(30)を、業務上過失傷害容疑で札幌地検に書類送検したことが、捜査関係者への取材でわかりました。

この事故では、2023年5月6日午前9時半ごろ、札幌市豊平区の札幌大学のグラウンドで、女子硬式野球部員が練習の準備中、倒れたバッティングケージの下敷きになりました。バッティングケージの支柱が女子部員の頭部を直撃、女子部員は意識不明の重体になりました。


倒れたバッティングケージは、高さ2.9メートル、奥行6.0メートル、幅2.5メートル、金属製の支柱にネットを張った構造で、車輪が付いていました。

女子部員は、現在も、容体が変わらないということです。

この事故をめぐっては、2023年12月、新陽高校が設置した第三者委員会の調査結果が公表されています。
・コの字型で安定のケージが一直線になったため、倒れた
・一直線になった原因は不明・意識不明の女子部員は画像の赤丸の支柱を押す
・支柱が頭部を直撃
・動きの悪い車輪はあったが、直接の原因ではないとみられる
・顧問3人の意思疎通、安全管理体制が不足
・当時、顧問が3人いたのに、ケージの移動は生徒任せ
・初めて使用のグラウンド
・生徒と一緒に運ぶ、そばで声かけで防げた可能性あり
・顧問側は、生徒にケージの転倒が生命、身体に害を与える危険なことであることを伝えていない

その上で、第三者委員会は、再発防止に向けて、新陽高校に対し以下の提言を行っています。
・女子野球部による重い衝立型ケージ(目安300キロ超)の使用を当面禁止
・ケージに関する安全教育の徹底
・顧問の役割分担、責任の範囲の明確化

さらに、第三者委員会は、高校野球関係者に対し「二度と同様の事故を起こさせないという決意をもって、各校の監督・部長を指導していかなければならない」と指摘していました。

札幌新陽高校は、8日、改めて「第三者委員会からの提言を学校として1つ1つ実行していく」と話しています。