多くの植物が芽吹く季節。山菜取りや家庭菜園を楽しむ人もいるでしょう。そんなときに注意したいのが、誤って有毒植物を採ってしまうことです。知らずに食べてしまうと、死に至るおそれも。農林水産省の公式X(ツイッター)アカウント(@MAFF_JAPAN)では、食用と間違えやすい有毒植物に気をつけるよう注意を呼びかけています。

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食用植物と見間違える有毒植物に注意

 春から初夏は、家庭菜園を始めたり、ハイキングなど野外活動が増えたりする季節です。農水省はXで「#有毒植物 による食中毒に注意」と呼びかけました。

 自分自身で採って食べることがない人でも安心はできません。同省のウェブサイトによると、「有毒な植物が混じった野菜や山菜を買ったり、譲ってもらったりして食べたことによる食中毒」が数多く報告されています。

 こうした食中毒を防ぐには、消費者自身も「有毒な植物の特徴を知り、野菜や山菜と有毒植物を見分ける力を養うことも必要」です。同省はXで、毎年被害が報告されている有毒植物を写真付きで紹介しています。

○ニラと間違えやすい有毒植物
スイセン

【特徴】
・ニラの葉は特有の強い臭いがする
・葉の断面を見ると、スイセンはV字型、ニラは平らになっている
・ニラとスイセンは地上部の葉で区別することが難しい
・スイセンには大きな球根があり、タマネギと間違えることがある

○ギョウジャニンニクと間違えやすい有毒植物
イヌサフラン

【特徴】
・ギョウジャニンニクは根元が細く、赤い網目状の繊維質のハカマ(さや)がある
・ギョウジャニンニクは、強いニンニク臭がが特徴

○山芋と間違えやすい有毒植物
グロリオサ

【特徴】
・山芋にはヒゲ根があり、グロリオサはヒゲ根がない
・山芋は折ると、簡単に折れて糸を引く
・グロリオサは、折るのに少々力がいる。糸は引かない

 植物の特徴は品種や栽培、生育環境によって異なるため、これらの特徴だけで判断しないようにしましょう。そして、「確実に食べられるかわからないときは、採らない、食べない、売らない、人にあげない!」と強調しています。

 投稿の引用リポストには、「毎年聞く話なので怖いなあと思っています」「幼少期からこういうものに触れてきているから、感覚で判断している面があるので気をつけたい」「こういう知識は大事ですね。知らないものは食べないは基本ですが、知ってると思っているものでも、実は危ないものがあるので、やはりそれも手を出さないほうが良いのだなと」などの声が寄せられています。

 同省のウェブサイトによると、「高齢者が誤って採って食べてしまう事故が多いことも報告されている」とのこと。家庭菜園でニラが野生化してスイセンと混じる例もあります。高齢の家族がいる場合は、安易に採って食べないように注意を促しましょう。

Hint-Pot編集部