9人組グローバルグループ・&TEAM(エンティーム)のインタビュー企画第3弾はK(26)。来月発売される初シングル「五月雨(Samidare)」については「ハウリングシリーズの作品とは違い、澄みきった感じの曲」と印象を口にした。初ツアーでは多くの課題を感じたようで「気になったことは、その都度メンバーに伝えた」とも。最年長の責任感から、グループのために“憎まれ役”を買って出ることもあったそうだ。合格が確実視された「I―LAND」で落選した時の心境やメンバーへの思いなども聞いた。(国分 敦)

 5月発売の新曲は、これまでの楽曲のテイストとはかなり違っているという。

 「今までFirst Howlingシリーズを3部作やってきましたが、その活動がいったん終わっての1発目になります。これまではハードでパワフルなサウンドでしたが、デモ(テープ)を聴いた時からポップな感じがして、フレッシュでちょっと澄み切ったイメージがしました。僕としては単純に『いい曲』という言葉に尽きると思います」

 初ツアーでは自身の成長を実感できることもあったが、グループとして課題も感じたようだ。

 「個人的にはステージのやり方や目線の置き方が勉強できて、少しはレベルアップできた気がします。ただ反省する部分がいっぱいあります。初日の京都、ステージが終わった後にパフォーマンスのレベルが足りないのにびっくりして『もうちょっとできるよね』ってメンバーにはきっちり伝えました。グループとして成長過程中だからこそ、レベルアップさせたい。だから目に見えちゃったり、気づくことがあるとすぐ言っちゃうんです。最年長なんで、そこには責任を感じていますし、意識してそうしている部分はあります」

 メンバーにフィードバックをする一方で、自身に対しても一切の妥協はない。

 「僕、毎日、日記を書いているんです。その日の良かったこと、悪かったことを3つ4つぐらい、A4のノート2冊に2000文字ぐらい、手書きで。毎日書いてると、今、何をやんなきゃいけないのか分かるんですよ。これはマラソンをやっている頃から続けていて、30冊は超えているかな〜」

 ―そのストイックさは、どこからきているのか。

 「もともとですかね。僕が後先考えずにガーっていく感じだから、親は相当、大変だったと思います(笑い)。まあ根っからの負けず嫌いっていうのはあるでしょうね。小学校で体育の授業でミニ野球をやって負けると、家でもずっと泣いて『なんで負けたか』を一日中、考えていましたから。それは紛れもなく“負け”があったからだと思います」

 高校時代は駅伝チームの中心選手として活躍。大学進学が決まっている中で、陸上を諦めアーティストを目指す決断をした。

 「(2016年の)スーパーボウルのハーフタイムショーで初めてブルーノ・マーズを見て『これはヤバいだろう』って思ったのが、アーティストを目指したきっかけです。僕って根拠のない自信があって『俺はできる。俺はなれる』って勝手に思っちゃうんです(笑い)。それで米ロサンゼルスにダンス留学するんですが、そこでBTS先輩をテレビで見て『これだ!』って電気みたいなのが走って『(BTSが所属していた)ビッグヒット(現HYBE)しか行かない』と決めたんです。で、帰国したら、たまたま事務所の方たちが日本にスカウトに来られていて『オーディション受けてみないか』と受けたら、パフォーマンスディレクターさんや事務所の幹部の方に『すぐに韓国に来てくれ』と誘っていただきました」

 HYBEの練習生となり、同社主催のオーディション「I―LAND」に参加。合格確実と思われていた中での落選を味わった。

 「僕ですら合格すると思っていました。だから自分の名前が呼ばれなかった時は、目の前が真っ暗で…。15分ぐらい泣いたのかな、いや、そこでは涙は出なくて、スタッフさんやみんなが来て涙が止まらなくなったんだ。そしたら事務所の偉い方が僕に『大丈夫だよ。お前の夢は絶対に叶(かな)えるから明日、面接しよう』って。で、翌日面接したら『新しいグループを作る』と言われました。僕はソロではなく、グループでデビューできてよかったと思っています(笑い)」

 ホールツアーを成功させて年内にアリーナ、来年にはドーム公演の可能性も感じさせるが…。

 「アーティスト誰しもが夢見るドーム公演ですからね…。実際に去年、(東京ドームで行った)MAMAの授賞式の時、僕、ステージの真ん中で1人で踊らせてもらうことがありました。自分っていう人間を大勢の前で表現した時に『人生で一番楽しい』って感じた瞬間でもありました。で、終わった後に『9人だけでここに立ったら、すごく楽しいだろうな』って思いましたね」

 高い目標を掲げ、実現するために妥協を許さず努力する姿には感服。彼の真の凄(すご)みが発揮された時が“カリスマ誕生”となりそうだ。

 ◆Kが見たメンバー

 ▼EJ(21)「人のことを平等に見られる。メンバーのわがままな部分も全部受け止めてくれる温かさがあって、大きい器を持った人」

 ▼FUMA(25)「自分の役割を理解して気も使える人です。あと野心家。温厚に見えるけど、やりたい欲をしっかり持っている」

 ▼NICHOLAS(21)「負けず嫌いなのは僕と似ているかも。彼がいることで、メンバー同士が切磋琢磨(せっさたくま)する雰囲気ができる」

 ▼YUMA(20)「完璧主義者。物事が時間通りに進んだら、めちゃくちゃ機嫌がいい。物分かりも早くて僕的には助かっています」

 ▼JO(19)「ミスター練習の虫です。いろんなことを吸収したいと思う姿は尊敬できる。マジで昔の自分を見ている感じもする」

 ▼HARUA(18)「日本一かわいい男の子で甘え上手。コミュニケーション能力も高くて、スタッフの方と一番話している」

 ▼TAKI(18)「本当の弟みたいな存在。僕とは真逆な性格ですけど、それがかえってよくて、互いにリスペクトし合えている」

 ▼MAKI(18)「ミスター正直でウソがない。ボーカル力が高くて、僕と得意なところと苦手な部分が違っているから互いにカバーできる」

 ◆K(ケイ)1997年10月21日、東京都出身。26歳。ダンス、ボーカルともスキルが高くチームの核的な存在。最年長で兄貴肌として人望も厚い。本人いわく「負けず嫌い」。身長186.5センチ、血液型A。