サザンオールスターズ、福山雅治らが所属する大手事務所・アミューズが主催する初のボーイズオーディション「NO MORE FILTER」の最終審査会が6日、都内で行われ、東京都出身の立教大学3年・黄兆銘(こう・よしあき)さん(20)がグランプリに輝いた。

 名前を呼ばれると、目をつぶって事態をのみ込んだ。黄さんは約8000人の頂点に立ち、賞金300万円を獲得した。「本当に実感が湧かなくて・・・。正直パニックです。このようなステキな賞を頂けたので、心の底から(この)事務所に入って自分の夢をかなえたい!と思ったので、今はうれしいです」と喜びを爆発。「素を出そうと思ったので、素の一面が見せられた(のが良かった)のかなと思います。皆さんの支えがあって、ここまで来られました。次は僕が恩返しできるように頑張りたいと思います」と誓った。

 黄さんは2003年7月3日、東京・北区出身。マレーシア人の父親、ロシア人の母親の間に生まれる。身長183センチで端正な顔立ちの持ち主。この日は特技のロシア語で自己紹介し、趣味のトランペットで「ルパン三世のテーマ」を披露した。

 モデルとして活動する大学の先輩を見て「いつか、こんな人になりたい」と思ったことが、この世界に興味を持ったきっかけ。昨年ミス・ミスター立教コンテストに出演し、「そこでの活動、そこから見える景色が最も人生で刺激的なものになりました。もっともっと表舞台に出たい」と強く思い、オーディションへの応募を決めた。

 黄さんは「初めはモデルになりたいと思っていたんですけど、合宿(審査)を通して歌やダンス、芝居に興味を持ちました。私の今の夢は、誰かの憧れになること。私が先輩に憧れていたように、次は、私が誰かの憧れの存在になれたらいいなと思っています」と話した。この日は会場から母親が見守った。その母に向けてひと言求められると「お母さん、今日(大好物の)ハンバーグ作ってください。食べたいです!」と話した。

 21年に「JUNON×AMUSEアイドルオーディション」(共催)を行っているが、昨年創立45周年を迎えた同社の10年ぶの大規模オーディション。オーディションからは09年に野村周平(グランプリ)、吉沢亮ら、14年に清原果耶(グランプリ)、堀田真由らを輩出している。

 今回は役者、モデル、ミュージシャンといったジャンルを設けず、多角的に才能を集った。昨年10月に1次審査がスタート。2次(ウェブ面談審査)、3次(合宿審査)を経てグランプリ発表になった。

 ファイナリスト8人は、アピールタイムでそれぞれの特技を披露。グループごとのトークコーナー、1〜3分のラストスピーチを行った。黄さんがザ・キッス賞とダブル受賞。兵庫県出身の中学3年・西浦心乃助さん(14)が準グランプリ、静岡県出身の大学1年・鈴木太士さん(18)が審査員特別賞を受賞した。