岸田政権の命運を左右する衆院3補欠選挙が16日に告示(28日投開票)される。自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件発覚後、初の国政選挙。強い逆風にさらされている自民は東京15区、長崎3区で不戦敗に追い込まれた。唯一、自民VS立憲民主による対決構図となった島根1区を最重要選挙区と位置付けて総力戦を展開する。補選「全敗」なら秋の自民党総裁選を前に“岸田下ろし”に拍車がかかる可能性もある。

 共同通信社が13〜15日に実施した全国電話世論調査によると、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、岸田文雄首相が処分されなかったことに「納得できない」との回答は78・4%。裏金事件の実態が「十分解明されていない」は93・3%に上った。

 内閣支持率は23・8%。岸田内閣として過去最低だった前回調査(3月9、10両日)を3・7ポイント上回ったが、6回連続の20%台。12日からの国賓待遇での訪米については「評価する」が56・6%だったが、なお支持率低迷が続いている。

 次期衆院選の望ましい結果は「与党と野党の勢力が伯仲する」が50・5%で最も多く、「与党と野党が逆転する」23・8%、「与党が野党を上回る」17・7%と続いた。

 首相は21日に島根入りする方針。負けられない戦いに臨む。