◆第55回読売マイラーズC(4月21日、京都・芝1600メートル)追い切り=17日、栗東トレセン

 第55回読売マイラーズC・G2(21日、京都=1着に安田記念優先出走権)は2年目の田口貫太騎手(20)=栗東・大橋厩舎=がニホンピロキーフで重賞初Vに照準を合わせた。

 田口が読売マイラーズCで、自身で勝たせた馬で初めてJRA重賞に挑む。相棒のニホンピロキーフとは昨夏からコンビを組み、6戦3勝でオープン入りに導いた。前走の関門橋Sでは初めて第3場の小倉に参戦し、ほれ込む逸材だ。「先頭に立つのが早かったですが、物見をして耳を立てるぐらい、まだまだ余裕がありました」と完勝だった。

 今週は、4戦ぶりに最終追い切りに騎乗。栗東・CWコースでラスト1ハロン11秒0をマークし「行きっぷりがすごく良くて、少し踏んだだけですごい加速でした。だんだん成長していますし、パワーアップしています」と状態の良さを感じ取る。

 今回は4戦ぶりのマイルで、馬も初めての重賞挑戦だが「マイルでも勝っていますし、適性はあります。重賞なら折り合いもつくと思います」と厳しい流れをむしろ歓迎する。テン乗りだった6走前(2着)こそ早めに先頭に立って勝ち馬に差されたが、「あの時はソラを使いましたが、まだ垂れたことがありません」と愛馬を信頼。「最近(ゲートを)ゆっくり出しているので、どこで運べるか、ポジションが一番大事だと思います」とポイントを挙げた。

 近親のニホンピロプリンスは9番人気で96年のこのレースを勝利。母ニホンピロアンバーは14年の報知杯FR・G2で単勝186・5倍ながら2着と、大舞台で穴をあけてきた血統だ。自身も23年は35勝を挙げ、JRA賞最多勝利新人騎手賞を受賞。今年もすでに17勝と、昨年以上のペースで勝ち星を積み重ねる。「数多く乗せていただいて、徐々に流れが分かってきました。何とか頑張りたいです」。人馬ともに充実一途のタイミングで、大仕事をしてみせる。

(玉木 宏征)

 ◆田口のJRA重賞挑戦 23年の北九州記念(クリノマジン)で初騎乗し12着。G1は阪神JF(ニュージェネラル)で初騎乗し17着。ここまで9度騎乗し24年日経新春杯(リビアングラス)8着が最高。うち8度がテン乗りで、継続騎乗は所属の大橋厩舎のクリノドラゴンでマーチSで初騎乗後に次走のアンタレスSでも騎乗し、ともに10着だった。