◆JERA セ・リーグ ヤクルト4ー3DeNA(19日・神宮)

 至福の時間をじっくりと味わった。同点の8回。先頭のヤクルト・村上が、九州学院高の先輩・伊勢の高め直球を完璧に捉えた。今季神宮初アーチとなる3号決勝ソロが右翼席中段に突き刺さる。一塁への中間あたりまでノシノシと“確信歩き”から、バットをポーンと放り投げて右手を突き上げた主砲は「しっかり角度がついて、いいホームランでしたね」と、満面の笑みを浮かべた。

 初アーチまで54打席を費やしたが、14日の1号はハマスタのバックスクリーン左、18日の2号はバンテリンDの左翼、そして2戦連続の3号は右翼と、持ち前の広角打法も完全復活。2試合連続猛打賞で、打率はリーグトップの3割3分3厘まではね上がった。

 チームを最下位脱出に導いた豪快弾。今季初めて立ったホームのお立ち台で「キャプテン(山田)がいなかったり、守護神(田口)がいなかったり、チーム状況はよくないですが、必ず上を目指して優勝します」と声を張り上げた。(星野 和明)