NBAグリズリーズの渡辺雄太(29)が日本時間20日、来季から日本でプレーすることを明らかにした。

 渡辺は自身のインスタグラムで動画のライブ配信を行い、その中で公表。また今季は22戦連続でコートに立つことはなく、自身NBA6季目が終了したことについて「メンタル的なことでお休みしていました」と告白した。

 今季はサンズに移籍し、序盤は開幕から12試合連続出場して得点も挙げていたが、昨年12月以降はプレータイムが急激に減少。2月のトレード期日間近には突然、自身が2018年10月にNBAデビューした古巣・グリズリーズへの移籍が発表された。これには「(サンズと)やっとつかんだ契約だったから、ショックが大きかった」と正直に語った。

 ある試合前に「今日の試合には出さない」と言われたことをきっかけに「ホテルで体中の水分が全部出たんじゃないかくらい泣いた」とショックを受けた。日本に帰ることを決め、残りシーズンは楽しもうと決意したが、今度はコートに入ってウォーミングアップを始めると「全身に重りをつけられているみたい、自分の体じゃないみたい」に力が入らなくなってしまったという。ちょうどオールスターで試合がない期間に入る前だったため、休んで回復することを期待したが改善はみられず。「20代は何があっても逃げないと呪文のように言い聞かせていた。そこまで追い詰めなくていいよ、来季日本に帰るから楽しんでやりな、と思ったら、ストレスや疲労が一気にきた感じになった。(言葉は)きっかけになっただけで、僕の限界はもっともっと前にあったんだと思う」と振り返った。

 30歳を前に大きな決断を下した。ただ「1ミリも後悔はない。すがすがしい気持ち。米国でやり残したことはない。日本で思いっきりバスケがしたい」とスッキリした表情。グリズリーズのサポートは手厚く、来季もプレーできる契約で残留も要望され「感謝しかない」と話した。

 試合には出られなかったが練習はできており「五輪には出ます」と断言。「3月にNBAでもう試合ができないと分かった時点で、そこ(五輪)は目標にやってきた。体の調子はむしろいい」と言い切った。代表合宿にもできる限り参加する意向で、「試合勘を戻したいので強化試合も含めてたくさん試合に出るつもり」と前向き。ライブは一時は約2万3000人が視聴し「こんなに集まると思ってなかった。スッキリできた。言いたいことを言えた」と吹っ切れた様子。「30代の渡辺雄太も進化していけたらと思っているので、今後とも温かい目で見てもらえたらなと思います。あんまり外に出ないけど、道でデカいヤツ見つけたら、声をかけてください」と笑顔で呼びかけていた。