◆パ・リーグ 日本ハム5―0ロッテ(21日・エスコンフィールド)

 日本ハムが29年ぶりの偉業を成し遂げ、4連勝を飾った。先発の加藤貴之投手(31)が、9安打を浴びながら完封で今季4戦目の登板で初勝利を挙げた。前日20日には北山が完封しており2試合連続の達成は、球団としては95年7月4日のグロスと、同5日にノーヒットノーランを達成した西崎幸広以来の快挙。新庄剛志監督(52)にとって就任初の貯金「3」をもたらした左腕は「チームの流れが良かったので。何とか勝てて良かった」と声を弾ませた。

 今季、FA権を行使せずに残留した。年齢的にも投手陣の中心的立場となったが、この試合まで3連敗。「みんな頑張っている中で、足を引っ張らないようにと。覚悟を持って試合に臨めた」。試合前のキャッチボールの際、「タイミングがあったので」と右足の上げ幅を小さくした。「3試合苦しんだ。何かを変えないとと思った」。その言葉を体現し、4回以外は安打を許し、毎回走者を出しながらも、無失点で121球を投げ切った。「チームを引っ張るのは言葉では僕は無理。何とかプレーでと。行けるところまで行くのが先発の役目」。抱き続けていた責任感は勝利という形で示した。

 就任3年目で最速となる18試合目での10勝到達と、最多貯金。今季初の同一カード3連勝に指揮官は声を弾ませ、一つの提案をした。「このユニホームをビジター用にしたいなと思って」と着ている黒のユニホームを指さした。エスコンフィールド開業1周年を記念して作られた戦闘服を着用後、5勝2敗1分けと好結果を残した。「球団にお願いしに行きます」と異例の行動に出てまでも勝ちを追い求める。「Bクラスなら辞める」と不退転の覚悟で臨む今季、ゲン担ぎもはばからず、新庄ハムが白星を積み重ねにいく。

(砂田 秀人)