【ドーハ(カタール)24日=後藤亮太】サッカー男子のパリ五輪アジア最終予選を兼ねたU―23(23歳以下)アジア杯で、1次リーグ(L)B組を2位通過した日本は、25日に準々決勝で開催国のカタールと対戦する。勝てば8大会連続五輪にあと1勝と迫り、負ければ1992年バルセロナ五輪以来の予選敗退。公式会見に臨んだ大岩剛監督(51)は「ピッチの中での戦いにしっかり勝ちたい」と宣言。“ホームアドバンテージ”のある難敵の壁を乗り越え、パリ五輪切符獲得に王手をかける。

 緊張感が一気に高まる大一番を前に、大岩監督は強い覚悟を言葉に乗せた。勝てば五輪に王手、負ければ32年ぶりの予選敗退となるカタール戦。開催国との対決へ、主将のMF藤田とともに試合前日の公式会見に臨み「一発勝負ですので、この試合に集中することを目的として準備をしたい。(カタールは開催国で)大きな力になると思うが、我々はピッチの中で11対11、(メンバー)23対23の戦いにしっかり勝ちたい」と決意を示した。

 1か国での集中開催方式となった16年リオ五輪最終予選以降、日本が開催国と対戦するのは初。毎試合大声援を受けるカタールは、堅守速攻が持ち味。1次L2連勝で準々決勝進出を決め、第3戦では先発10人を入れ替えて万全の状態を整えている。

 さらに、1次L初戦ではインドネシアに2人の退場者が出てVARでPK判定もあった。第2戦のヨルダン戦も後半アディショナルタイム13分の決勝点の直前に、カタールの選手が相手を突き飛ばしていたがVARはノーチェック。“ホームアドバンテージ”とも言える判定が起こる可能性もあり、MF松木も「初戦で踏んでもないのにレッドカードが出たり、アウェーながらのことも多分、多くあるのかな」と警戒する。

 ただ、一つの判定に左右されないことも大事な要素。センターバックの木村は「審判に詰め寄ると無駄に時間を削ったり、より審判を怒らせて相手側につかせてしまう。落ち着いて、皆の怒りのボルテージをうまく管理できたら」と鋼のメンタルの重要性を説いた。

 厳しい戦いだからこそ、先制点が勝敗を左右する。「早い段階で点数を決めたら相手も焦って間延びというか、組織的じゃないグループになっていくと思う」と松木。大岩ジャパンは22年3月のドバイ杯で2―0、昨年9〜10月の杭州・アジア大会も3―1とカタールに2連勝中。当時メンバーだった佐藤は「いいイメージはある」と話す。一致団結して先手を奪い、敵地の大歓声を黙らせる。