ラグビー日本代表の次世代を育成する「ジャパン・タレントスコッド・プログラム」が25日、都内で始動した。エディー・ジョーンズ日本代表ヘッドコーチ(HC、64)が指導し、走りの最高速度はすでに世界トップクラスという早大2年のFB矢崎由高ら、選抜された大学生14人が手ほどきを受けた。取材に応じたジョーンズHCは「今日は2027年W杯の準備の第1日目」と宣言し、“桜戦士のつぼみ”育成への挑戦が始まった。

 桜戦士養成所が“開校”した。東西から選抜された大学生14人が、初めて都内のグラウンドに集結。代表スタッフ指導の下、技術練習などに励んだ。次期日本代表入りが期待される14人は今後、栄養指導も含めた継続的な強化サポートが施される。初日を終え、ジョーンズHCは「今日は27年W杯への準備の第1日」と、満足げに手応えを語った。

 潜在能力に富む集団だ。桐蔭学園時代から快足自慢のFB矢崎は、最高速度は時速35・5キロを計測。トレーニングを指導する太田千尋コーチによれば、南アフリカ代表でW杯2連覇のBK、C・コルビ(東京SG)と同レベル。19年W杯で日本を史上初の8強に導いた“フェラーリ”ことWTB福岡堅樹(引退)は36・5キロほどだったと明かし「加速力が足りないが、潜在力はある」。矢崎も「どれだけ長い距離を速く走れるかなどは、伸びしろかな」と、世界トップレベルを貪欲に見据えた。

 6月から本格始動する日本代表。矢崎は「呼ばれたら行きたい。常にベストパフォーマンスを出し続けることが、一番の近道」と静かに闘志を燃やす。ジョーンズHCも「いつも代表の門戸は開いていると伝えた」と、才能の開花を待ち望んだ。(大谷 翔太)

 ◆矢崎 由高(やざき・よしたか)2004年5月12日、新潟・五泉市生まれ。19歳。5歳から大阪・高槻ラグビースクール(RS)で競技を始める。芝谷中時代はサッカー部に所属し、吹田RSでラグビーを続ける。桐蔭学園では1年時に全国高校選手権優勝に貢献。23年に早大に進学した。高校、U20日本代表。180センチ、85キロ。ポジションはFB、ウィング。