全国高校総体につながる陸上の県高校総体西部大会が26日、開幕する。女子ハンマー投げでは、今月7日の西部選手権で51メートル27の県高校記録を樹立した鈴木菜摘(浜松湖北3年)が出場する。「この大会では6本中、50メートル台を3本投げたい」と、記録更新よりも安定した投てきを目標に掲げた。

 全国に向けた戦いの幕開けだ。昨秋の県新人戦Vでシード権が与えられ、地区大会は免除されているが、「試合勘をつかみたい」と出場に踏み切った。7日にマークした51メートル27は昨年の全国総体4位相当で、3位(51メートル40)まではあと13センチ。入学当初は「全国出場」だった目標を「全国表彰台」に上方修正した。

 一躍、メダル候補に躍り出た18歳は女5人、男2人の7人きょうだいの三女。よく鬼ごっこやドッジボールで遊んだ。「うるさくて家にいたら落ち着かない」と言いながらも、家族が親戚の家に泊まりに行って、練習のために一人自宅に残った時には「誰もいなくさみしかった」と笑う。ケンカは絶えないが、大家族の応援が競技へのパワーになっている。

 昨年末に奈良で行われた東海・近畿地区の合宿に参加した。「仲良くなった大阪の子と全国で会うのが楽しみ」。将来の夢は児童指導員になること。陸上競技は高校までと決めている。「全国で55メートルを出したい」。地区から県、そして、東海から全国へと続く長い道のり。目標の総体でのメダル取りへ、階段を一歩ずつ上がっていく。(塩沢 武士)

 ◆鈴木 菜摘(すずき・なつみ)2006年4月19日、浜松市生まれ。18歳。浜松湖東中1年の時に陸上を始めた。家族は両親と姉2人、妹2人と弟2人。165センチ。