第63回春季全道高校野球大会(5月22日開幕、札幌円山)地区予選の組み合わせ抽選会が26日、北見で行われた。昨秋全道大会に出場した北見柏陽は9日の初戦で斜里・大空の連合チームと対戦する。プロ注目の最速146キロ左腕・山内悠生投手(3年)が春28年ぶりの全道出場に導く。

  北見柏陽・山内が、3季連続の道大会(夏は北北海道大会)出場を目指して左腕を振る。昨秋に続きエースナンバー「1」を背負うことが決まり「安定感が出てきて、ここまでは順調にきている。冬の練習の成果を春に発揮したい」と腕をまくった。

 184センチ、87キロの恵まれた体格。昨秋時点で最速142キロだったが、長い冬を乗り越えてもう一回りレベルアップした。「(昨秋の)全道で他の選手の体を見て、自分は細いと感じた」と夕食時にどんぶり茶碗2杯から3杯に増やすなどして体づくりに注力し、体重が昨秋から4キロ増。3月の練習試合では146キロをマークした。投手に本格的に取り組んだのは高校からだが、2年間で投げる体力も向上し「スタミナは問題ない。今は逆に後半の方が体が動くようになってきた」とうなずく。

 青学大出身で、独立リーグでのプレー経験もある鈴木快監督(38)もエースの成長に太鼓判を押す。「冬のトレーニングは何も言わなくても、自ら考えてやるようになった。上でやりたい、私立に勝ちたいという思いが伝わってくる。球は昨秋と比べて明らかに重たく、速くなっている」と目を細めた。

 大型左腕には、すでに8球団のスカウトが視察に訪れている。高校卒業後のプロ入りも視野に入れているが「上でやりたい気持ちはあるけど、まずは全道に行って1勝することに集中したい」。昨年夏、秋はともに道大会初戦敗退。北見地区でわずか1枚の切符を勝ち取り、今春こそ全道で勝利を挙げる。(島山 知房)

 ◆山内 悠生(やまうち・ゆうせい) 2006年9月6日、北見市生まれ、17歳。北見北光小2年時に北光クラブで野球を始める。北光中では軟式野球部に所属。高校から本格的に投手に転向し、1年春の地区予選で背番号14で初めてベンチ入り。変化球はカーブ、スライダー、カットボール、チェンジアップ。184センチ、87キロ。左投左打。家族は両親と妹。